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潮来長勝寺の阿弥陀如来三尊

 アヤマ祭りの期間中に長勝寺を訪れると、本堂の扉が開かれています。

そして、中央にご本尊の阿弥陀如来坐像が安置されています。

阿弥陀如来坐像及両脇侍像(県指定文化財):

鎌倉時代前期~中期に製作されたヒノキ材を使った定朝様(じょうちょうよう)の寄木造りです。

眼は玉眼(水晶)がはめ込まれています。

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像高は阿弥陀如来89.4cm、観音菩薩(向かって右)107.5cm、勢至菩薩(向かって左)106.3cmです。

この阿弥陀如来三尊像はそれほど大きいものではありませんので、鎌倉あたりで製作されたものかもしれません。

仏師名はわかりませんが「運慶」という伝承もあるようです。
ただ顔の表情などはよく見えないので、その力強さは感じられませんでした。

身体の肉付きはよくどっしりとしていて、鎌倉時代の特徴をあらわしています。

鎌倉と言えば鎌倉の大仏様、これも阿弥陀如来像です。 同じ定印を結んでいます。

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中央須弥壇の手前、向かって左側には十大弟子のひとり「迦葉(かしょう)」の大(摩訶)迦葉立像が安置されています。
こちらも県指定文化財です。

これは頭部が14世紀の南北朝時代で、体部は江戸時代の1698年に製作されたものです。

水戸光圀がこの像を修復し、十大弟子の迦葉にあてたことが判明しています。

向かって右側には潮来市指定文化財の「毘沙門天立像」が安置されています。

これら本堂に安置されている仏像もこのあやめ祭りの期間はこうして扉が開いていますので拝顔することができるようです。
普段は閉まっているためにほとんど中が見えません。そのため、この時季にうかがうことも楽しみの一つです。


仏像 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2018/06/04 06:12

湛慶(運慶の長男)の子犬と子供の顔

最近仏像に少し興味があります。 先日フェースブックに投稿していたのだが、こちらにもコピーを残しておきます。

調べて記事にしたりもしていますが、鎌倉のリアリズムを代表する運慶の長男「湛慶(たんけい)」の作品に見るべきものを発見。

先日の運慶展にも出品された京都高山寺の狗児(子犬)の像。 なかなかかわいい。これとそっくりな子供の仏像が高知県桂浜に近い雪渓寺にある。

湛慶が1225年頃50才代の円熟していたころの作品。

毘沙門天像の左の善膩師童子(ぜんにしどうじ)の顔がそっくり。

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(京都高山寺 狗児(子犬)の像 湛慶作)

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(高知雪渓寺 善膩師童子の顔 湛慶作)

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(高知雪渓寺 毘沙門天像と善膩師童子(向かって左)・吉祥天(右) 湛慶作)

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(吉祥天の顔)


右側の像は吉祥天で毘沙門天の妻、善膩師童子はこの2人の子供(5人兄弟の末っ子)。なかなか仏像も奥が深そうだ。

仏像 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2018/06/25 10:11
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