カラスは嫌われ者?

 朝晩はようやく秋らしくなり、朝起きると山鳩が毎日のように遠くで鳴いている。鳴き声がこもったような鳴き方だがよく聞こえる。「ポーポッボッボー」などと聞こえる。鳥の鳴き方は人によっても違って聞こえるし、国によっても違うようです。今日車で信号待ちしていたら、隣りの反対車線にカラスが道路に落ちているエサをついばんでいた。こちらを見て首を傾げたような仕草をしておどけたようにも見えた。真っ黒で愛嬌などは感じないのだが、人間に嫌われてばかりではかわいそうだ。
このカラスは「カアカア」などと何時も表現されるが、英語でも「CAW」というので世界共通なのであろうか? ところでロシアのモスクワの赤の広場に近い公園で白いカラスを見かけたことがある。
karasu.jpg
白いといっても真っ白ではなく、写真のように腹と背中の一部が白っぽい灰色です。普通に沢山いた。
「カラスは黒い」とは、世界中共通であると思っていたが、そうでもないようだ。童謡などでは「からすの羽根は何故黒い?」とか「白い羽根を拾って体につけて、他の鳥の仲間になろうとしてバレタ話し」などいくつもでてくる。どれも良いイメージは持たれていないらしい。日本書紀や古事記には八咫烏(やたがらす)という三本足のカラスが登場する。神武天皇の東征で、大和に上陸したとき、熊野・吉野などの道案内をしたという。元々は中国の故事に出てくるというが、太陽神に関係するようだ。神武天皇は太陽の上る方向へ進のだが、ここでは地元の豪族に敗れ、南周りで進んだ。何か関係があるのだろうか?
またこのカラスは縁起物としてサッカーの日本代表チームのユニフォームのマークとしても使われている。この八咫烏が特別というわけではなく、昔はカラスは嫌われ者ではなかったのではないだろうか。
枕草子にも家路に帰るカラスが出てきたと思う。またカラスの鳴き声は童謡「七つの子」に登場するので家路に帰るイメージがあるのかもしれない。
しかし、カラスはとても頭の良い鳥で、かなりの知能を持っている。それなのにどこの国でも嫌われ者のようだ。
アメリカ映画「白いカラス」はユダヤ人と偽って暮らしてきた黒人の元大学教授のこころの闇を題材に黒人問題を扱っている。しかし、映画の英語でのタイトルは「The Human Stain」(人間のシミ?汚れ?)というもので、カラスなどという言葉は出てこない。日本語に直した時のものだ。
これも日本人の感性なのかもしれない。

カラスの話 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2010/09/14 20:17

カラスの話 - 八咫烏

 昨日の土曜日にふるさとの物語を朗読舞いにして活動している「ことば座」などが毎月発行している機関誌「ふるさと風」の印刷と製本の手伝いをしてきました。

私はただ応援しているだけなのですが、毎月欠かさずに原稿を書いている会員の皆さんの強い意欲を何時も感じてしまいます。
機関誌も500部程つくり、無料で配っています。
過去のものを含め、こちらでも読むことができますので興味のある方はアクセスしてみてください。

ふるさと風の会HP

 さて、昨日まで天狗の話をしてきましたが、今日からカラスを取り上げてみます。

前に「白いカラス」をテーマとして書いたことがあります。

カラスは黒いものの代表なのですが、世の中には白いカラスも本当にいたのです。

しかし、どうやらカラスは真っ黒だというのは昔の人も同じ認識であったようです。

今日は「八咫烏(やたがらす)」について少し書いてみます。
八咫烏は足が3本として描かれてきましたが、神話の中ではその表現はありません。

天狗とそっくりな「猿田彦」はこの国に降り立った神を葦原中国(あしはらのなかつくに)までの道案内の神として登場しています。

そして、神武天皇が東征する時、熊野国から大和国へ移動する時に、熊野の神としてこの八咫烏が案内役として登場します。

当時熊野国には豪族がいて、神武天皇の東征する時に衝突し、神武天皇が負けてしまいます。
そこへ、熊野の神からこの八咫烏が遣わされ、西から太陽の登る東に進路を取ったことが敗戦につながったとして、南に迂回して大和国に入ります。

従ってこの八咫烏(やたがらす)は熊野の神のシンボルとなっています。
熊野古道などを歩くと、この八咫烏が祀られているところも多いようです。

しかし、京都下鴨神社の祭神である賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと)はこの八咫烏です。
熊野の神がどうしてここにやってきたのでしょうか?

下鴨神社のHPをみると、この神を金鵄八咫烏(きんしやたからす)と表しています。
金鵄(きんし)は金色のトビのことで、やはり神武天皇が東征する時に登場します。
金色に輝く鳥が八咫烏と同一であるかについては良くわかっていません。

また、熊野権現に伝わる話に、八咫烏が金色に輝いて、金の鳥は太陽だと言っています。

私も神話などにはあまり詳しくないので、詳細を述べることはできません。

どうも太陽神をカラスになぞらえているようなのですが、カラスが太陽という思想はどうやら中国-朝鮮からもたらされたもののようです。

中国には太陽の中に3本足のアラスが棲んでいるとの考え方があるといいます。

太陽の黒点がカラスの黒色のように見えたのではないかと言われていますが・・・。

朝鮮の高句麗時代の壁画の中にこの丸い円の中に3本足のカラスが描かれた壁画が残されています。

日本サーカー協会がこの八咫烏をシンボルマークに使い話題となりました。


ところで、八咫の「咫(あた)」は長さの単位で、文献によれば「手を広げて親指の先から中指の先のまでの距離」と載っています。
確かに長さをはかる時に手を広げて長さを測るには便利ですね。

しかし、もう一つの解釈は「直径が1尺の円周の長さを4咫とした」という解釈がありました。
後漢の時代には1尺は少し短くて1尺≒23cm ですから 1咫≒18cm となります。

8咫≒144cmですね。

三種の神器である「八咫鏡」についても、この「八咫烏」についても一般的には単に大きいことを意味すると説明されています。

しかし、どうも違うのではないでしょうか?
大きなカラスではどうもしっくりしません。

この「咫」が円周の長さを現すのであれば、大きな丸、すなわち太陽を表している単位であるような気がします。

 

カラスの話 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2011/01/09 15:20

カラスの話 - からす扇

東京府中の大国魂神社は武蔵国総社宮でもあります。
ここは4月30日から1週間「府中の暗闇祭り」という関東三大奇祭がありますが、毎年7月20日に「すもも祭」という祭りが行なわれています。

先日、実家(小金井市)に帰った時に、この祭りで「からす扇」「からす団扇(うちわ)」が売られているということを聞きました。

起源は源頼義・義家(八幡太郎)父子が奥州征伐(前九年の役)に戦勝を祈願して、その成就のお礼に訪れた時から始まったとされます。

すももをお供えにしたから「すもも祭」を行なうようになったといいます。

そして、この「すもも祭」の時に「からす扇」「からす団扇」が配られるのです。

「からす扇」「からす団扇」はは、その扇や団扇で扇ぐと害虫が駆除され、病気が平癒すると信じられているのです。

また、このからす扇や団扇を玄関先に懸けると悪疫、悪魔よけになるといいます。

このため、この祭りは五穀豊穣・悪疫防除を祈願するものとなっています。

起源をたどると1200年ほど前の「古語拾遺」の神話に「烏扇で扇ぐと害虫よけになる」ということに基づくと言いますが、カラスが描かれた扇にどのような意味があるのでしょうか。

神の話とはなっていますが、昔、田圃にいなごが大発生しこれをカラスが退治したのでしょうか?

面白いことに「からす麦」をイナゴは食べないといいます。
またこの烏麦の名前の謂れも気になりますね。

やはりこのからす扇に描かれた烏は八咫烏(やたがらす)なのでしょうか。

書かれた烏には足が描かれていません。3本足なら八咫烏と考えられますが・・・。
 

カラスの話 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2011/01/11 19:05
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