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日本語と縄文語(26) 温泉

 温泉は北海道も各地にあり、アイヌでもこれに相当する言葉があっても良いと思うが、実は日本語がアイヌ語になった言葉の代表的な語と言われる。

【yu】 湯 これが日本語からアイヌ人たちも使い始めた言葉と言われている。
アイヌ語辞典で【yu】の付く言葉を探してみた。

【yu】・・・・・ 湯(ゆ)、温泉、冷泉
【yu-etok-o 】・・・・・ 温泉の水源
(また、yuk は鹿で、yup、yupo は兄である)

一方
風呂の水・・・【sesek wakka】
風呂に入る・・・【osus】
風呂の浴槽・・・tonpuri (トンプリ)  これは和語のドンブリがアイヌ語になったものと思われる

最初の【sesek】が古語の恐らくアイヌ語で温泉を示す言葉であったようだ。(wakka は水)
ただ、現在この【sesek】はアイヌ語では温泉としては使われていないようで、
【sesek】:熱い、温かい、沸く、暑い、生ぬるいであり、【sesekka】で温める、熱くする、湯を沸かすなどを指す言葉になる。

このちょっと変わった語【sesek】が本土の地名(小字など)として残されている場所がある。

茨城県大子町久野瀬の小字名「シッササキ」、中郷に「尻ササキ」、山田に「鎖蹟打(サセキウチ)」、長野県長野市(松代温泉郷)に「瀬関(セセキ)」などはその「温泉」を示す縄文語であったと思われるという。

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また、北海道には温泉もたくさん在り、「登別」はアイヌ語だといわれています。

国語辞書などには「ヌプル‐ペッ」(色の濃い川)と載っています。

【nupuri-pet 濁り川】 とあるが、 【nu 温泉+pur ゴボッと出る+i 所】となります。
また、【nupur】は色が濃いという以外に、「霊験ある・巫力ある」という意味もあります。
これも医療に霊験があり、「濃い」も効き目があるという意味合いがあります。

日本語としては【nupuru】となり、「にぶる」「鈍る」「濁る」「訛る」などに変化したと見られています。

また、日本語の「くすり 薬」ですが、アイヌ語でも「kusuri クスリ」といいます。
江戸時代は北海道は蝦夷地ですが、「釧路」は「クスリ」と呼ばれていたようです。
このクスリも日本語からアイヌに伝わった言葉なのかもしれませんが、その逆もありそうです。

また、「クスリ」という日本語は、出雲大社にある古文書に、「奇(く)すしき力を発揮することから、くすりというようになった」 と伝えられているといい、この「奇すしき」とは、古い言葉で  「並みより優れている、突き出た、不思議な、神秘的な」  という意味で、それがクスリ(薬)となったとの説が紹介されていますが、「釧路:Kusur」が「クスリ」と呼ばれていた意味として、「クシュル:越える道」「クッチャロ:のど元」などが元の意味といわれています。

やはり「クスリ」も縄文語と言えそうですね。
漢字の「薬」は中国の漢字をあてたものですから、クスリという言葉は古代の縄文語なのでしょう。


今までの「日本語と縄文語」を1から読みたい人は ⇒ こちらから



日本語と縄文語 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2020/05/27 07:46
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