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棒ささら

 今年の「石岡のおまつり」が昨日までの3日間(9/16~9/18)行われた。
ここ数年はコロナにより自粛されたり、雨天に悩まされたりしてきたが、今年は久しぶりに雨も降らず、晴天に恵まれ祭りはにぎわった。
また年番が「若松町」で、私の住む地区であり、連日多くの人出が出ていた。
しかも、町の主な道路は午後1時から夜9時まで交通止めとなり、我が家から出ようにも車だと細い道を迂回しながら回っていくしかない。
まあそれでも盛況に終わったのは喜ばしいことだと思う。
子供の頃からこの地で育てば、この祭りはDNAとしてその体にしみこみ、伝統がどうだこうだなどは嘘も何も関係なくそういうものだと思い込んでしまう。
私は16,7年前にこの地に越してきたので、まあ冷めた目で眺めるだけだが、もう少し伝統行事ならその歴史を理解した方がよいなどとついしゃべってしまうが、まあそんなことはよそ者のたわごとでしかないので、最近はあまり祭りの話題もしないようにしている。

さて、いま仕事場兼風の会の事務所として、国府公民館近くの事務所を借りているが、祭り初日に「富田のささら」が朝方各家を回ってささら舞を奉納して歩いている。
まつりの最初と最後には神社神輿の先頭を急いで車に乗って駆け抜けるために、あまり目にする機会が少ないのだが、町の人でもこのささらと呼ばれる三匹獅子のことを間違って解釈している方が多いのが気になっている。

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祭り初日の午前中に国府町の各御家庭を回ってささら舞を奉納している様子。

このささらは三匹の獅子(獅子人形は胸前に小さな太鼓を持っている)は、中にこの獅子を操るための棒が入っていて、後ろの白装束の人がささら獅子を持ち上げながらこの棒を操り、獅子にいろいろ回転や太鼓たたきなどのしぐさをさせて踊る。

こうして人が見えていればすぐにわかるが、車に乗って踊る場合はこの人の姿が見えず、獅子が踊ているように見える。
これは茨城県南部独特ではないかと思っている。

茨城県北部や東北などでは、この獅子を人が被って人が踊るので、基本的に構造が違う。
秋田のささら獅子舞はこの北部のささらが佐竹氏によって秋田にもたらされたものと言われている。
したがって、江戸時代より前からこのようなささら踊りはされてきたものと考えられている。

それにしても、全国にはいろいろな種類のささら舞があるようだ。
「ささら」とは、基本的には竹を細く裂いてこれを束ねて茶筅のような形状にして食器の洗浄などに使う道具であったようだ。
それが、くぼみをたくさんつけた棒(ささら子)でこの竹の箒のようなものをこすると、ササラササラなどと音がするので楽器となったとか。
また、竹の棒をたくさん縄で一列に結わいて並べてこれをしならせたりこすり合わせたりして音を出す楽器などもできたという。
このため、このような楽器を「ささら」と呼び、これを踊るときに使ったので「ささら」と呼ばれるというと一般には書かれている。

しかし本当にそうなのだろうか?
つい勘ぐってしまう。
もう少しよく全国の「ささら」をいろいろな角度から調べてみたいものだ。
神社などのささら獅子の役割は「先頭を行って、神輿の通る道を掃き清める」という役割があると感じている。
「笹で神社などの道を掃き清める」=「笹まつり」などからいろいろな要素が組み合わさって、五穀豊穣などの考えも組み合わさってこのような三匹獅子の舞が出来てきたのだろうと考えている。

さて、時間が出来たら全国の神事・祭りで行われている「ささら」に似た行事を地域などで分類してみたいものだなどと考えている。


石岡のおまつり | コメント(0) | トラックバック(0) | 2023/09/19 13:50
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