fc2ブログ

芭蕉の「鹿島紀行」を巡って (5)

「鹿島紀行」を巡って」も前回記事から大分日にちが経ってしまいました。

今回は鹿島紀行の最後に書かれている

 帰路自準の家に宿ス (自準亭:潮来の本間道悦亭)
 塒(ねぐら)せよわらほす宿の友すヾめ  主人(自準:道悦)
 あきをこめたるくねの指杉(さしすぎ)   客(芭蕉)
 月見んと汐引のぼる船とめて  曾良
 (貞享四年(1687)八月二十五日)

という部分の検証です。

芭蕉たち3人(芭蕉、宗波、曾良)は、仏頂和尚のところで、中秋の名月を鑑賞し、句を詠み、恐らく翌日に鹿島神宮にお詣りして
その足で鹿島の大船津あたりから舟で潮来へ行ったものと思われます。
大船津からは前川を通って潮来へは船に乗ったままでも行けるし、対岸に渡って徒歩でもそれ程の距離でもありません。

この芭蕉の鹿島詣の100年以上後の文化14年(1817)5月26日に小林一茶は鹿島詣の後、大舟津より舟で板久(潮来)に来て(旅館)俵屋に宿泊します。、そして翌日板久(潮来)から舟で銚子へ行っています。
一茶の「七番日記」には、
 ・大舟津ヨリ舟渡 六十四文、
 ・板久 の俵屋に泊まる(百五十 文)
 ・卯上刻出船 二百六十四文 未下刻銚子ニ入
となっています。
このときの銚子は銚子の手前の「松岸」あたりまで舟で行ったようです。
板久(潮来)から船が出たのは「卯上刻」となっていますので、朝の5時から6時の間でしょうか?
帆引き船が走っていたと考えられますので、風の向きが良い時間帯になるのだと思われます。

さて、一茶の話は別にして、芭蕉たちは潮来では「自準亭」に泊まっています。
自準亭は本間道悦(医師)が開いた邸宅で、ここで医療の他に読み書きなどの面倒も見ていたようです。
芭蕉とは日本橋にいた時に、芭蕉とは近くに住んでいて、芭蕉が本間道悦医師にかかったことから知り合いになり、道悦も芭蕉から俳句を習っていたようです。

自準亭地図02

本間道悦の自準亭は潮来の前川沿いの「天王橋」のすぐ前でした。

P3280070s.jpg

今では通り沿いの家の角に「史跡 本間自重亭跡」という木のポールがあるだけで、説明版はありません。

P3280066s.jpg

またこの橋のたもとには鳥居があり、常夜灯が移設設置されています。
丁度この北側の市役所と第一中学校の高台が、天王台と呼ばれ、現在「素鵞熊野神社」があります。
この素鵞神社が江戸時代の天王社(牛頭天王を祀る)で、この天王社が昔のの近くにあったものと思われます。
神社のHPでは「素鵞熊野神社は、辻の天王原に祭られていた小社を、文治4年(1188年)に潮来の天王河岸へ移し、牛頭天王と呼んだのが素鵞神社のはじまりである。」と書かれています。
また、調べて見ると、この天王河岸にあった素鵞神社を現在の北側に遷座したのは「元禄9年/1696年」とありましたので、芭蕉が自準亭に滞在したときは、この自準亭のすぐ前にあったと考えられます。

P3280065s.jpg

P3280068s.jpg
(天王橋の天王社があった所にある鳥居。又すぐ横に素鵞神社の仮の舎があり、そこにも小さな鳥居がある)

P3280064s.jpg

この常夜灯は前川沿いに昭和14年み建てられたものが、東日本大震災の際に破損して、それをこの場所に修復して移設したという。

P3280073s.jpg

P3280076s.jpg

天王橋から西側の前川アヤメ園側を眺めると、鹿島線の線路がすぐ近くを通っています。 写真の左手側が潮来駅です。

また東側を眺めると

P3280074s.jpg
すぐ東側に観光船着き場がありました。

出はそちらに移動しましょう。すぐ隣ですので1分もかかりません。

P3280078s.jpg

「水郷古民家磯山邸」
120年ほど前に建てられた古民家が市に寄贈されたので、内部や庭をリニューアルして、当初は観光イベントなどで、公開されていましたが、数年前より、1棟まるまる1日1組限定に宿泊施設として貸し出していました。

P3280079s.jpg

また、前川沿いにあった津軽屋敷のとなりに残されていた石倉を喫茶店などとしてオープンさせていました。

P3280087s.jpg

P3280080s.jpg

津軽屋敷のところは広場となっており、観光用の建物とここから「ろ舟」に乗れるので、そのチケット売り場があります。

P3280082s.jpg

最近アヤメ以外の潮来の魅力創出の力を入れている水郷磯山邸も楽しみが増えてよいのですが、観光案内の説明には東側の「愛友酒造」さんの酒蔵見学などが書かれていましたが、この自準亭については記事を丹念に探さないとほとんど見つかりませんでした。

次回本間道悦について少し詳細を書いておきたいと思います。


鹿島紀行を巡る最初から読むには ⇒ こちらから


鹿島紀行 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2024/04/14 11:39
 | HOME |