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あゝ石岡駅(5)

 今日は石岡駅の下りホームの後方側の壁に飾られたモザイク画を紹介します。
駅を利用される方も目にしたことはあるでしょうがあまりじっくり見る機会がないですね。
石岡の国分寺に伝わる鐘の物語を絵にしたものです。
石岡の銘菓「釣鐘最中(つりがねもなか)」の元となったお話です。
お話は尾ひれがついたり、伝わっていくうちに内容が変わっていってしまった部分など
さまざまありますが、駅に展示したのでまずはこの話を知るべきでしょう。

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昔々子生(こなじ)の海岸に二つの釣鐘が浮かび上がりました。それを皆で府中の町へ運びました。
途中で車の車軸が折れたり大変苦労して運びます。

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府中の国分寺に鐘は釣り下げられ、都に鐘の音が響き渡ります。ある日力持ちの大泥棒が一つの鐘を
盗み出してしまいました。

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鐘を高浜から舟にのせて沖に漕ぎだしました。沖合までくると急に波が荒れ舟が沈みそうになりました。
怖くなった大泥棒は鐘を海(霞ケ浦)に放り込みました。

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海の底に沈んだ鐘(雌鐘)は国分寺に残された鐘(雄鐘)を恋しがって唸り音を出し、1日に米1つぶだけ
府中の方向に動くが、波で押し流されて近づけないでいるそうです。


この鐘の製作がどこで何時ごろなされたものかは判明していません。
このように物語として伝えられていくのもよいでしょう。
物語ですのでその当時の人々の暮らしや、気持ちがその中にあります。
調べてみるといろいろと伝わるものがあり面白いですね。
昔の国分寺の繁栄と衰退、そして火災。
もう少し詳しい物語はこちらを参考に見てください。
石岡に伝わる銘菓「つりがね最中」も美味しいお菓子です。食べてみてください。

さて、実際には雌鐘は盗まれたのは確かですが、江戸時代に恋瀬川の堤防工事の時に、この鐘を川岸に
持ち出し時を告げるのに使ったため、夜中に盗まれたといわれています。
また残された雄鐘は火災で焼け落ち溶けてしまい、それを小さな鐘を記念に作って檀家に配ったといいます。
あまり現実を知ると楽しみがなくなりますね。
物語はその土地の、そこの時代ごとにいろいろと変わっていくものなのですね。
 
 

あゝ石岡駅 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2010/11/16 19:18
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