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天狗の話 - 天狗小僧寅吉

 今日も天狗の話の続きです。
昨日書いた愛宕山(旧岩間山)の十三天狗の話は、江戸時代後期の国学者「平田篤胤」が書いた「仙境異聞」によるものだ。
これによると、当時、江戸の町で天狗にさらわれてまた戻ってきたという寅吉という少年が評判となった。
そこで、この平田先生が、自宅に連れてきたりして、この寅吉の語った内容をそのまま書いたという形式の書物である。

平田篤胤は本居宣長の後を引き継ぐ学者として有名な人で、けして作り話を書くような人ではないのだが・・。

当時、平田篤胤は、神や異界の存在、さらには死後の世界に大きな興味をいだいていたといいます。

天狗に連れられて天狗の世界を見てきた寅吉の話を要約すると、

・最初に連れてこられたのは獅子ガ鼻岩という岩が突き出ていることで知られる南台丈という山であったが、いつの間にか岩間山になっていた。

・岩間山には十三天狗がいて、その首領の「杉山僧正(そうしょう)」が寅吉の師匠である。

・岩間山には最初十二天狗であったが、途中で長楽寺が加わって十三天狗になった。

・人間から天狗になったのは長楽寺だけで、その他は鳥や獣などが形を変えたのだという。

・長楽寺はその十三天狗の首領となった。

となっています。そうすると、長楽寺は杉山僧正と同一とも受け取れます。
しかし、笠間市のHPや愛宕山に記載されている表現は違っています。
最初に杉山僧正を首領とする十二の天狗がいた。そこに長楽寺が加わって十三の天狗になった。

どちらが本当でもよいのですが、平田篤胤は山神として天狗の存在を真面目に信じ、研究をしています。
そして、その姿を絵師に書かせ、宝物にしています。

この神の姿はあまり今の天狗のイメージとは違います。
学研の「神仙道の本」表紙などに使われています。

この絵にも下の方に白鹿が描かれています。

また寅吉が、最初に降り立った山「南台丈」は、南北朝時代に合戦が行われた悲劇の山「難台山」のことですね。
天狗の鼻のように突き出した岩(獅子ガ鼻岩)があります。
 

天狗の話 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2011/01/07 18:50
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