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七ツ池(銚子)

 銚子の少し手前から下総台地への登り口に地図上に史跡などの「∴」マークのある場所「七ツ池」があります。
前から気にはなっていたのですが、前に1度近くを車で通って見たのですが入口がわからずにいました。

そこで今度は地図を良く見て立ち寄ってみました。

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銚子の川沿いの低地から風車などがある台地(下総台地)へ登る坂の途中から脇道に入るとそこに少しさびしく広がった池がありました。
静かに水をたたえた2つ目の池です。
こんなに町から近いのにどこか神秘的です。

P6250044s.jpg

そしてその下に1つ目の池があります。
台地へ登る途中にありますので池も上下にいくつかにわかれています。

P6250046s.jpg

ここは自然の池ではなく農業用のため池です。
しかしこの池が作られたのが江戸中期というはるか昔なのです。
説明では1711~1715年頃に干ばつで悩まされていたところ治兵衛という体は不自由だが頭の良い男がここにため池を作ることを進言したそうです。

それに賛同した村人たちが協力して1つのため池を作り上げました。

その後これだけでは足りないと2つ、3つと池は増えていき、「江戸堰」「上池」「中池」「蒜藻池」「岩堰」「塚子の森池」「新堰」という7つの池ができ七ツ池と呼ばれる池が完成したのです。

P6250047s.jpg

しかし、江戸堰と上池が一つになり、また塚子の森池と新堰が合体して5つになり、一部が決壊したりしたために平成になって整備して今では「上池・中池・蒜藻池」の3つだけが残ったそうです。

上に写真は最初のものが中池、その次のものが蒜藻池だと思います。上池まではいきませんでした。

この辺りは夜などは少し寂しく一人では怖いくらいな場所です。
台地にぽっかり空いたクレータのような場所です。
銚子の地形は特殊ですね。
ここに来るとこの銚子の地形がよくわかります。

日本ジオパークに認定され、世界ジオパークへの登録を盛んに推進しているのも頷けます。
こちらはまた明日にでも説明しておきたいと思います。


P6250048s.jpg


この池を観光にしようと戦後に池の周囲に桜の木を2000本植えて一時は花見でにぎわったようです。
でも今ではトイレと駐車場だけが残った心霊スポットのような場所です。

昔はこの池にボートを浮かべて遊んだりしたといいますが、今では若者が釣りをする姿が時々見られます。
もちろん看板には「つり禁止」となっています。

私が訪れた日も夕方に近かったのですが近所の若者5人ほどが釣りを楽しんでいました。
何が釣れるのかきいてみたところ「ブラックバスです」と明るい元気な声が返ってきました。




銚子 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2015/07/05 19:05
コメント
No title
こんにちは。

「地理院地図」でこの辺りの地形図を見てみました。北総台地が侵食されて出来た比較的小規模な谷津の中を溜池に造り変えたんですね。両隣のもう少し大きな谷津の中は水田として利用されていた様ですが、ここは谷津が北を向いてしまっていて日当たりの面でも耕地としては使い難いところに、治兵衛が目を付けたのかも知れませんね。
kanageohis1964 さん
こんばんは。

> 「地理院地図」でこの辺りの地形図を見てみました。北総台地が侵食されて出来た比較的小規模な谷津の中を溜池に造り変えたんですね。

よく調べていただき感謝です。
なかなかここまで見ていただけませんから・・・・
北総台地(下総台地)も上から見ると木の根が張るように浸食された谷津があちこちにあります。
浸食された物なのかそれとも隆起して残された物なのか良く判断できません。
台地の上は銚子の野菜(キャベツ、大根など)の畑が広がります。
谷津も一部では田んぼや畑もありますが、台地の上の方が利用されていて下は谷のようになって人家もあまりありません。
日本の台地ができた期限を考えて見る良い場所のように思います。
屏風岩ばかりではなくこのような場所も面白いですよ。
確かに北側ですから利用価値も少なかったかもしれません。

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