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じゃかもこじゃん考(4)-石岡市柿岡のじゃかもこじゃん

 毎年、中秋の名月(旧暦8月15日)の晩とその前の晩の2日に亘って石岡市柿岡の八幡神社で行われる伝統行事「八幡宮太々神楽」を紹介します。
この祭りを地元では「じゃかもこじゃん」と呼びます。

夜7時から11時まで12座の神楽を神社に奉納します。(昔はもう少し遅い時間から始まって真夜中まで行われていたといいます)

太々神楽=代々神楽は基本的には地元の家を継承する長男が代々引き継いでこの神楽を継承したようですが、現在では長男に限らず保存会を作って保存継承していると言います。

祭りの謂れは、文禄4年(1595)長倉義興が、柿岡城主になった時に伊勢からこの神楽(24舞)を持ち帰り、そのうちの12座を継承してきたと言われています。
長倉城は御前山近くの那珂川北側の城で、詳細は前に記事を書いています。(長倉宿:こちら、長倉城跡(蒼泉寺):こちら

「十二座神楽」は
1、国堅(くにがため)
(巫女舞=神子舞)
2、老翁(おきな)(天之御中主神(あめのみなかぬしのみこと)
3、天狐(てんこ)・種嫁(たねがし)の舞
4、龍神(天御柱命)
5、地法(ちのり)・赤鬼 (タケミカズチ=鹿島神宮の祭神)
6、神酒(みき)の舞 (天児屋根命)
7、西ノ宮大神 (蛭児之神)
8、鈿女(うずめ)(天鈿女神・・・猿田彦と結婚)
9、岩戸
10、戸隠 (天手力男命)
11、猿田彦の大神
12、山の神 (天大山祇命)

夜7時からはじまり終わるのは11時近くにまで及びます。
最後に餅をまきます。

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神社の拝殿は畳の広いほぼ真四角な舞台になっています。

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最初は男性4人が舞う「国堅(くにがため)」です。
日本の国を造った時、たくさんの島々ができました。
この島々が出来るのを喜んで堅めてまわるイザナギ・イザナミの2神の様子を描いています。

この旧八幡町に婿にやってきた男性が演じることになっていたそうです。
最初は2人だったはずですが、いつの間にか4人で演じる様になったようです
この踊りは「早みこ」ともいうそうです。

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さて、次は地元の小学生から選ばれた巫女4人が踊ります。
巫女舞=神子舞だそうです。

穢れのない女の子ということで、地元の10歳前後の子供から毎年選ばれます。

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この神子舞は十二座には入っていません。
各神楽の途中で計4回別々の神子舞が披露されるそうです。

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さて、次が「老翁(おきな)」です。
天之御中主神(あめのみなかぬしのみこと)です。
天上界の主神です。

剣を腰に差し、手に白い紙を持って、数回廻ります。紙で四方に種をまいているのでしょうか。

剣を抜いて、また四方を廻ります。
剣で蛮族を平定しているようです。

老翁は四隅でそれぞれ剣を突き立て、変な腰振りダンスを踊ります。

これは四方に柱を建て、地を固めている姿と言いますが、昔の事やはり少し別な意味合いもありそうです。

五穀豊穣、子孫繁栄・・・ 昔の古事記の世界かもしれません。

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つづいて、キツネが登場します。
「天狐(てんこ)」と「種嫁(たねがし)」の舞です。

三部構成で、最初は天狐が一人で自由奔放に舞います。

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天児屋根命(あめのこやねのみこと)の孫、天種子命(あめのたねがしのみこと)をあらわしており、五穀豊穣の舞です。

そこに種子命がやって来て、種まきをするのを天狐が手伝う様子を表現します。

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最後に命(みこと)が高天原に戻ってしまうのを天狐は慕ってとび跳ねたりします

さて、「じゃかもこじゃん」というのは、踊りの時になる拍子の音がそのように聞こえるからともいわれていますが、この神楽の中の翁舞い(老翁)のことを指しているとも言われているようです。

(この写真と記事の内容は2013年の9月のものです。)

長くなってしまいましたので続きは明日。
田楽、神楽、翁舞などの関係を少しわかれば「じゃかもこじゃん」の意味もわかってくるかもしれません。

じゃかもこじゃん考 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2016/02/07 20:36
コメント
Utamさま
拍手コメントありがとうございます。
こちらに返信させていただきます。

> じゃかもこじゃんミステリアスです。 地元には じゃもかも という祭りはありますが、これは蛇と蚊をおいはらうお祭りです。 本当に深い文化があります。

この「じゃもかも」も面白そうですね。
きっとどこかに共通点があるような気がします。

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