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最後の特攻「桜花」展示

 銚子に向かう時に神栖地区を通った。
ここに最近大きなきれいな公園が整備された。
「神栖中央公園」というようだが、途中少し休憩に立ち寄らせてもらった。
広々した公園だが、トイレもきれいで気持ちがよかった。

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公園の一角にガラス張りの建屋があった。
中を除いてみると、昨年秋に完成した映画「サクラ花」の撮影に使われた飛行機が展示されていた。

この飛行機は終戦近くなり物資が乏しくなって造られた、特攻隊の最後の姿と言われる「桜花(おうか)」であるという。

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この特攻飛行機は車輪もなく自力で飛ぶこともできない。
人間一人が乗って親飛行にの下にぶら下げられ、相手の船の上に来ると切り離されて敵にそのまま突っ込んで玉砕する。
飛行機重量とほぼ同じくらいの爆弾を抱えて帰ることのできない突撃をしたという。
飛行機の前の方に桜の花びらのマークが描かれていた。

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映画で再現された飛行機が撮影を終わって、この桜花が飛び立った神之池海軍航空基地のあった神栖市に寄贈され、ここに展示されたという。
映画で使われた服も同時に展示されている。

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桜花11型

 離着陸用の車輪やエンジンを装備せず、母機となる一式陸上攻撃機(一式陸攻)に吊られて出撃し、敵艦船近くで切り離されロケットエンジンを着火し敵艦船に体当たりする特殊攻撃機。機体前部に約1.2tonの爆弾を搭載。
全長約6m、全幅約5m 総重量約2.1ton。(機体本体は約440kg)

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そしてその機体の横に小さな母機とこの桜花の一体となった模型がありました。

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母機の下に小さな爆弾のように取りつけられているのが「桜花」です。
本当に爆弾と同じですね。
爆弾よりも正確に敵艦船に衝突できるようにロケットエンジンでわずかな梶をとって玉砕していったようです。

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これを思うと何を馬鹿な事をしたのだという思いになりますが、戦争とはそんな人と人が殺しあうのが当然という状況が、人間の心を麻痺させてしまうのですね。

今でもイスラムの世界などで自爆行為が止みません。
平和な日本の今の公園に展示されているのにはそれなりの意味があるのでしょう。
こんなことが再び起こらないように、いつまでも平和を願います。

この公園も映画撮影では現在の平和な状況を映すのに使われたそうです。

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この公園は鹿島石油コンビナートからも近い場所です。
広い敷地を芝生できれいな公園にして整備されました。

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この公園の特色は東日本大震災で得た教訓をもとに防災の目的を持った総合公園です。
ベンチには簡易トイレになる設備が備え付けられており、公園地下には飲料水と出来る水を蓄え、これを噴水としても利用しています。
また公園中央部には土を持って小山を作り、標高15m以上となり場所も確保しました。

これからの公園のあり方(防災)の参考になると思います。
そんな事と同時にこの飛行機も是非見学してみてはいかがですか?

石岡からここに来るまでに行方市も通りますが、途中にこの映画撮影に使われたという立て看板があったのを思い出しました。
玉造の大宮神社です。
ここではエキストラ100人程が参加して夏祭りのシーンが撮られたといいます。


神栖 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2016/02/24 22:48
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