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石岡近郊花めぐり(5)-仏生寺北向観音の桜(石岡)

 昨日書いた土浦市の小町の里。
この近くは地名では土浦市小野という。

小野という地名のところにはほとんどといってよいほど小町伝説が伝わる。
そしてこの小野の地から一山越えると石岡市で「小野越」「仏生寺」という地名になる。

小町が峠を越えて「小野越」でそこにある北向観音」に詣でて、病が治ったとも伝えられ、北向観音堂の裏手を少し登ったところに「小町腰掛石」がある。

民話は真実であるかどうかなど考える必要もない。

そこには長い年月語り継がれてきたという語り部が存在したはずで、多くの場合に内容も変化してきたはずだ。

私は10年ほど前に石岡に越してきてすぐの頃に、この北向観音を探して訪れ、その後機会あるたびに訪れるようになった。

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この山里の桜と田圃、山並みの風情が気にいったからである。

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この北向観音堂はその当時より大分きれいになった。
昔は手前の池で小町が顔を移したとか、イボがとれたとか、腰かけた大きな石があったとかの名前が書かれてもいたが、これは消えてしまった。

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この観音堂に登る苔むした石段を映画「宮本武蔵」ではお通が駆け上ったとか言われているが・・・・。
石段入口右手には「二十三夜尊」が置かれている。

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階段途中には赤い椿の花が・・・・・。
これは昔と変わらない。

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階段左手にはいくつもの石像。

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この地区も筑波山側の峠を越えて色々な人がやってきた。
平安の頃もこのような風情があったのだろうか。
仏生寺などという地名も謂れ話はあるが、興味は尽きない。

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お堂の内部天井には天井絵が書かれている。
そして正面に祀られたこれはどういうものか?
観音像はどこにあるのか。

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それはともかく、ここをこの時期訪れるのはここの桜が日差しの中ひらひら舞い落ちる風情を楽しみたいからである。
この日もひらひら舞い落ち、赤いお堂とのコントラストがまたよい。

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この田に水が張られ、田植えが始まるのももうすぐ。
するとこの日本古来の美しい風景がまたここに誕生する。
稲刈りの行なわれる9月初めまで実り豊かな故郷の景色が見られる。

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公園のソメイヨシノもきれいだが、山里の桜の方が日本の古来の桜なのだろう。
毎年行って見たくなる。

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駐車場もないので少し離れた場所に停めて歩いてこの風情を楽しむのもまた良い。
観音様が北を向いているのでお参りする人は南を向く。
南はお釈迦様の生まれ故郷である天竺(インド)の方向と思われていた。
普通の仏教寺院は南向きに建てる。

長野では善光寺が南向き、上田に北向観音があり、よく両方をお参りしないと片参りになると言われた。
ここでは太田に善光寺があるが、こちらは立派なお堂が朽ち果てて見るも無残。
両者の関係は不明。


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このような淡い色の桜花。
とても好きだ。

そのうちに外国人も気がつくかな。
それともやはり派手な方が良いかな。

今日はこれから銚子に出かける。
帰りは夜だから記事は先にUPしておきます。


霞ケ浦の自然 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2016/04/11 07:37
コメント
Utamさま
>やはり山桜は美しいと思います。おっしゃる通り、日本の昔からの景色はこうなのでしょう。この姿を残しておきたいものです。 毎年、この色、この光をみて、景色を感じるすばらしさ。贅沢です。この自然が財産なのです。豊かです。  北向き観音のお堂もおもしろいです。ちゃんと色を重ねて、メンテされているのですね。

こちらにもコメントありがとうございます。
この山里風情が心が癒されるのですが、都会のアクセクした生活も離れればきっと皆こちらの癒しの世界に惹かれていくと思います。
北向観音堂の板は取り替えたりしていますが、これはある程度目には就くけれどあまり気にはしていません。
メンテで取り替えるのは仕方ないことですが、別な派手に塗り替えた御堂もあったりするので、これも守っていく人の心が現れます。やはり鋭いところに目を付けられますね。

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