ふるさと”風”の会10年展とことば座公演(4)

 常世の国にブラリとやってきた脚本家の白井啓治さんが、はじめて聾者である小林幸枝と出会ったときに感じた思いは間違いなく大きな花開いた。

生まれつき耳が聞こえない小林さんの話す手話表現は今まで感じたことのない美しさや言葉をもっていたようだ。

現在の手話は日本語のことばを健常者とどのように通じさせるかを健常者側の思惑で作り出された単なる意思疎通の道具である。
しかしネイティブ聾者である小林の手話には言葉にはない「言霊(ことだま)」が宿っている。

これを「聾語(ろうご)」と白井氏は表現をしている。

例えば 「雪」は手話では一般に雪が落ちてくる様をまねして、両手を前に出して手のひらを広げてヒラヒラと左右に振るのだが、小林の雪は手のひらを上に向けて胸の前にそっと出し上を見上げるのである。

雪は手に載せることのできる雨であり、「雪」という漢字のもととなった表現に通じるのである。

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「手話舞」は単なる言葉を通じさせる道具から様々心を伝える魂を表現しているといっても良いように思う。

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今回バックに音楽を入れずに手話舞と朗読だけの表現手法をとった。
一般に音楽は観客を楽しませその世界を手話舞に組み込むことで価値は高まる。

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しかし、今回はあえてその音を外し、感情表現としての手話と舞をストレートにぶつけてきた。

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それにより聾唖女優「小林幸枝」の「聾語舞い」が際立っていた。

私は手話もできないが、いままで感じていた手話にはない表現としての手話に大きな拍手を送りたいと思う。

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今回の手話舞のタイトルは「里山の風に恋歌の舞う」である。

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風は幸せの言葉
風は温もりの揺りかご
風は光の景をつくる
さあ 風に包まれて蝶になろう
そして
風に包まれて揺れる波に踊ろう



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「私は舞人」

そう、まさに貴女は舞人・舞姫です。
人を手話では指で人という漢字を書きます。でも「私は舞人」はこのポーズ(人という字も含めて)ですべてを表します。

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ことば座・風の会 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2016/06/19 07:37
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