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ふるさと”風”の会10年展とことば座公演(5)

 今回はこの後に石岡に来て初めて朗読舞いを始めたときの作品「鈴ヶ池物語」から片目となった鈴姫の怨念の舞を披露した。
話しを知らない方には少しわかりにくかったかもしれない。

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ここ石岡(府中)の地に戦国時代末期まで常陸国の中心となって栄えた常陸平氏の「大掾氏(だいじょうし)」がいた。
しかし、豊臣秀吉から常陸統一を任されたのは源氏の佐竹氏であった。
佐竹氏の猛烈な攻めにとうとう府中城は炎上陥落。
その時の最後の城主の大掾清幹の妻「鈴姫」は佐竹氏側につくことになった小川の園部城の娘であった。
今まで味方であった園部氏が最後に府中城の大掾氏(常陸平氏)の敵となって攻めてきたのである。


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怒り狂った清幹が妻「鈴姫」の片目を剣で刺したとか、敵の矢があたったとか差だけでないが、城中の山にあった鈴ヶ池にその身を投じて死亡したといわれている。
そして戦が終わって池の魚が皆、片目であったという話が伝わっている。

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しかし、脚本家白井啓治はこれを片目を失い狂った鈴姫が自ら池の魚の片目を刺し、近くの洞窟に生きながらえていたという話しを創作した。
そして、そこにやってきた坊主がその様を見てその煩悩を晴らすことができるならと自分の両目を差し出したのである。

そして二人で洞窟で煩悩の灯を情念に変えて、暮らしたと言い伝えられたお話に作り替えて手話舞に取り入れたのである。

今回は最初の片目となった鈴姫の憎悪の念のところを小林の手話舞で披露した。

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この鈴ヶ池物語を知らない方には説明が少し不足だったかもしれません。
このオリジナル脚本も素晴らしいので、最初にこの話を舞いがなくとも書いたもの又は朗読で入れていただいた方が良かったかとも思います。

(新鈴ヶ池物語 ⇒ こちら(pdf))


ことば座・風の会 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2016/06/19 09:04
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