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銚子と河童(3)

 銚子は港町で海の魚がほとんどだが、利根川の河口にできた町でもある。
そこに親子カッパの話があり、その話の元になった回船問屋「モリゴン」さんの家柄から奥さんをもらった大新旅館の大内さんが、新婚旅行で買ったカッパの土産から全国の河童の置物や絵画などいろいろなものを数千点集めたという。

河童は海にすむ生き物とではないだろうし、どちらかというと山側の川や池、沼などに棲むと考えられている。
茨城県牛久生まれの画家小川芋銭(うせん)はこんな河童の絵をかいて河童の芋銭といわれている。

牛久沼の近くに記念館があり、茨城に住んでいる私のところには、この芋銭が牛久以外にあまり地方に出かけた話は聞こえてこない。
しかし、月に数度訪れている銚子に来ると銚子生まれの国木田独歩などと並んで小川芋銭も有名人のようだ。

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銚子市海鹿島(あしかじま)の海岸に立つ大きな天然岩に芋銭の句が大きく彫り込まれている。

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小川芋銭の句である。

「銚子灘朝暾(ちょうとん)

大海を 飛びいづる如と 初日の出 」


小川芋銭がこの近くの篠目氏が所有していた別荘に何度か滞在した。
最初に来たのは大正12年3月から数か月滞在したという。

それは芋銭の画家としての才能にほれ込んだ高浜(石岡市)の豪商(回船問屋)篠目八郎兵衛氏が自身が所有していた海鹿島にある別荘を提供したのである。
芋銭はこの別荘が気に入り、翌年の大正13年にもここを訪れ、この別荘を「潮光庵」と名づけた。

その後も昭和4年、5年、7年とやってきて、8年に来ていたときの年末に皇太子の誕生のニュースが流れた。
そして翌年正月?にこの句が詠まれたという。

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この岩は海岸沿いにある小山にセリ立つように聳えている。
岩の近くに寄ることはできるが、眼下には岩に飛び散る波の飛沫を感じるので、高所恐怖症の方は遠慮した方が良いかもしれない。
結構迫力があります。

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銚子もこうして石岡や牛久ともつながっていると思うと愉快になります。
銚子の奇岩や文学碑散歩なども楽しいことでしょう。

銚子 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2017/07/01 10:27
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