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常陸国府の瓦蓮華紋

 石岡市の「ふるさと歴史館」で、瓦塚遺跡が国指定史跡に選定された事を記念して「瓦塚窯跡展」が8月1日より開けれています。

2階の展示場と1階奥に展示されていますが、茨城廃寺、国分寺、瓦塚窯跡の瓦の文様を見ていくと面白いことがわかります。
もう少し説明が書かれているとわかりやすいのですが、私も調べてもう一度訪れたいと思いました。

今日は少しだけ展示された写真を紹介します。

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茨城廃寺の瓦。
7世紀後半と説明があり、国庁があったことを示す唯一の資料だと説明があります。
奈良時代は710年からですからこれはその前の飛鳥時代です。

国分寺はまだ建てられていませんので茨城寺が茨城郡にあったのですがここにこんな軒瓦の文様があったということの意味を理解しなくてはなりません。
この文様は調べてみると飛鳥時代に日本に仏教文化が伝えられ、奈良飛鳥寺の軒丸瓦に「蓮華文」が飾られ、その後この蓮文様が日本古代における軒丸瓦の文様の主流となったことがわかりました。
桜のような花弁で、蓮の中央の丸い花弁の中には模様がえがかれていないようですから「素弁蓮華文」のようです。
西暦596年に建てられた飛鳥寺と同じ系列に見えます。

ただ奈良から全国に、7世紀後半からは蓮弁の中に小さな蓮弁状のものが加わったものが中心になっていったようです。
7世紀末ころ建てられたといわれる茨城廃寺に、この昔の文様(花弁にもようがない)の瓦が使われていたのでしょうか?

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さて、前の「素弁蓮華文」の瓦に並んで、きれいな蓮の文様の瓦が展示されていました。
常陸国分寺で使われた瓦文様のようです。

左側は7世紀後半に奈良県明日香村の川原寺で採用された「複弁蓮華文」と似ています。
また藤原宮の宮殿に採用された瓦に似ています。
この頃から瓦の大量生産技術が確立されていったようです。

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瓦塚にはこの国分寺などの瓦を中心に瓦を焼いていた窯跡が34基発見されています。
文部科学省がYouTubeに公開したビデオがありましたのでリンクを貼っておきます。

瓦塚窯跡(発掘された日本列島2015):文部科学省


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石岡市内 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2017/08/20 11:33
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