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石岡駅の扁額(徳富蘇峰)に思う

 会社を辞めてから駅を利用する回数がぐっと減った。
東京へ行くときも高速バスの方が便利だ。
これは休みの日に利用することが多いので首都高の渋滞にあまり影響されないせいもあるし、バス停まで歩いていけることもある。

先日久しぶりに電車に乗った。

駅の改札の手前の上に掲げてある古びた木版の扁額をながめてきた。

少し見落としやすいが、看板も急に明るいところに掲げられて恥ずかしそうに見えた。

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この扁額が「徳富蘇峰」の書から起こされたものであることは知っていたし、前にも何度か書いたことがある。

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今回はこの扁額の説明が、改札口通路の壁にステンレス板(?)に書かれて飾られていた。
この書かれた内容を読んで、かなりすっきりした。

石岡の歴史などというものを何度も書いたり、読んだりしてきているが、あまりこのようなことが書かれたものを見たことがない。
いやあったかもしれないが、最近こちらも見方が変わっているせいかもしれない。

各地域の神社などに書かれていたり、観光課などが説明書きを書いていたりする内容に間違ったものが良く散見される。

歴史とは事実を書いた記録だと思うのだが、街中を歩いていて看板を見かけると、どうもそこに書いた人の願望や確認されていない他の記事の「いいとこ取り」をしていて事実とは明らかにおかしなことが書かれていたりする。

でもこの説明はおそらく事実なのではないかと思う。
淡々と事柄がのべられていて残しておきたくなったのでとりあえずブログに掲載しておきたい。

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「石岡駅改札上部にある木製の駅名標は、駅舎橋上化工事に合わせて、旧駅舎より移設した。
これは、徳富蘇峰が書したものを彫刻したものである。1951年(昭和26年)、当時の石岡駅長(笹谷和三郎)や石岡市の窪田婦久の要望により、蘇峰が89歳の時に書した。彫刻は、蘇峰の秘書、塩崎彦市が行った。当時、駅長から蘇峰に送った手紙が、神奈川県にある徳富蘇峰記念館で確認できる。
 徳富蘇峰は、1863年3月熊本県に生まれ、ジャーナリスト、歴史家、評論家、政治家として活躍し、1957年11月に94歳でその生涯を閉じた。
 なお、茨城県内に蘇峰が書した駅名標は、水郡線常陸太田駅にも掲示されている。これは1948年(昭和23年)、蘇峰が85歳の時に書したものである。この時の常陸太田駅長も笹谷和三郎であり、駅長の要望から当時の衆議院議員山崎猛の尽力により実現した。原書は、常陸太田市郷土資料館に保存されている。」

そのまま原文を書き出してみました。

さて、このブログはここでは終われないのです。
この常陸太田駅の駅名標を探してみました。

常陸太田駅

さて、どうですか? やはりこうして2つを見比べてみなければこの話も進展しませんね。
でもどうしてつくられたのが古い常陸太田駅の方が左から右の現代式で、石岡の方が逆向きなのでしょうか?

疑問や興味があればさらに調べなければいけないですよね。
これがこのブログの良さですから・・・・時間が足りないですね。

でも簡単に調べてみました。
そもそも日本語は縦書きと決まっていたのを横書きが始まった時にはどうも方向は決まっていなかったようです。

切符が左から右、出札口の表示が右から左、寝台車などの表記は左から右、汽車の行先表示は右から左などとかなりバラバラだったようです。

大正時代や昭和の初め頃の街中の看板表示なども多くが左から右の横書き(現代式)の方が多かったようです。
これが右から左に書くように変わったのは戦争中だというのです。

1942年(昭和17年)に文部省の指導では左から右の横書き(現代式)への統一指導が始まったようです。
でも戦争中であり欧米に合わせることに反対の意見が多くあり、これは浸透しなかったそうです。

かえって右から左の横書き(逆向き)が多くなった傾向にありそうです。
まあ野球の言葉もかなりへんてこな言葉がありますからね。
例えば「ストライク」は「よし」なんて言っていたそうですから。

新聞社では讀賣新聞社の「讀賣報知」が終戦後の1946年(昭和21年)1月1日から横書きを左から右の現在の様式に完全統一しています。

面白いものですね。戦前は皆右から左の横書きだったとばかり思っていましたが、調べてみることは大切なんですね。



あゝ石岡駅 | コメント(1) | トラックバック(0) | 2017/11/29 05:37
コメント
Utamさま
拍手にコメントまで戴き感謝です。
確かに身近な事柄に新しい発見も多いですね。
これも記事を書き始めてから「なんでだろう」と思ったわけです。今回はあまり詳しく調べていないのですが、時間のかかることもあるので結構大変なのです。
でも、行政などの表示板や書物に書かれていたら鵜呑みにしてしまうことは良くありますね。
でも少し疑問に思ったらできるだけ調べてみたい欲求に駆られます。

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