気吹戸主
「気吹戸主(いぶきとぬし)」という神様を御存知ですか?
私は、東国三社の一つと言われている茨城県神栖市にある「息栖(いきす)神社」で、松尾芭蕉が詠んだ句で知りました。
あまり祀られている神社は少ないようです。
この里は 気吹戸主(いぶきとぬし)の 風寒し (芭蕉 : 鹿島紀行)
実は3日ほど前に「トイレの神様」である「烏枢沙摩(うすさま)明王」の紹介をしました。
そこでこの神様を思い出したのです。
少し考えたことでも残しておきたいと思います。

(日本三霊水「忍潮井」)
「気吹戸主」というのは、この気吹=いぶき という言葉からも大体想像がつきますが、穢い(きたない)ものに息を吹きかけてきれいにしてしまうような力があるのだそうです。
神話の話では、イザナギの尊(伊邪那岐命、伊弉諾神)の尊が、黄泉の国(よみのくに)(死の国)から逃げ帰ってきたときに、筑紫日向の橋の小門(おど)で、身体を洗い、穢れ(よごれ)を洗い流しますが、この流れの中から生まれたのがこの神様だといいます。
そして住んでいるのは「根の国・底の国」です。
この国がどこにあるのかいろいろな説がありますが、私は海底にあるような気がします。
何故なら、大昔、汚いものを川に流して清めていたようです。
今、神社でのお浄めと言ってお祓いをしてもらうことがありますが、このお祓い「祓え給い、清め給え」の神様は全部で4柱あって、この「気吹戸主」もその中の1柱です。
このお浄めの行事が祭などの神事で、神輿を川や海に入って清めるなどという行事につながっています。
まあ、川に流せば海に流れていきますね。
そして何事もなかったようにきれいになる???
原発の汚染水だって、大昔の考えならとっくに海に流していそうなものです。
でもこんなことは許されませんね。
気吹戸主がいくらきれいにしようと息を吹きかけても、こんなに汚染してしまってはどうしようもないでしょう。
原発事故はこの神様をも超えてしまっていると思うと、確かに恐ろしいですね。
さて、息栖神社の祭神はこの気吹戸主ではなく、現在「岐神(くなどのかみ)」(久那戸神ともかく)を祀っています。
「岐(くなど)」というのは道案内の猿田彦などと同じような神様です。
道の分かれ道に立つ道祖神でもあります。
大和朝廷が東国に進出してきたときに、鹿島の大神(鹿島神宮)と舵を取るとされる「香取神宮」との間をさらに進むために、中間の中州の中にこの息栖神社を置いたものと理解していますが、『日本三代実録』(平安時代に書かれた歴史書)では「於岐都説神」と書かれていて、「於岐都説=おきす(せ)=沖洲」がその語源だといわれます。
でも私がこの息栖神社の元宮である「蚕霊神社」を訪れて分かったことは、この元宮が常陸国の三大養蚕神社とも言われることです。
江戸時代の滝沢馬琴もいろいろ調べていたようですが、わからなかったのかもしれません。
この三社の残りは筑波にある「蚕影神社」と日立市にある「蚕養神社」ですが、この常陸の神社は息栖神社「於岐都説」から分霊されたものだといわれています。
何故この神社が蚕の神社になっていったのかはよくわかりません。
でも面白そうですよね。
金色姫伝説などともどこで結びつくのでしょうか?
兵庫県養父郡の上垣守国(うえがきもりくに)が享和2年(1802)に著した養蚕全般に亘る教書である「養蚕秘録3巻」をあらわしています。 これがヨーロッパなどでも翻訳されて絹の製法が世界に広まったようです。
この金色姫伝説はこちらの書物にも出てくるようですが、これは福島県なのか?茨城県なのか?・・・・
私は、東国三社の一つと言われている茨城県神栖市にある「息栖(いきす)神社」で、松尾芭蕉が詠んだ句で知りました。
あまり祀られている神社は少ないようです。
この里は 気吹戸主(いぶきとぬし)の 風寒し (芭蕉 : 鹿島紀行)
実は3日ほど前に「トイレの神様」である「烏枢沙摩(うすさま)明王」の紹介をしました。
そこでこの神様を思い出したのです。
少し考えたことでも残しておきたいと思います。

(日本三霊水「忍潮井」)
「気吹戸主」というのは、この気吹=いぶき という言葉からも大体想像がつきますが、穢い(きたない)ものに息を吹きかけてきれいにしてしまうような力があるのだそうです。
神話の話では、イザナギの尊(伊邪那岐命、伊弉諾神)の尊が、黄泉の国(よみのくに)(死の国)から逃げ帰ってきたときに、筑紫日向の橋の小門(おど)で、身体を洗い、穢れ(よごれ)を洗い流しますが、この流れの中から生まれたのがこの神様だといいます。
そして住んでいるのは「根の国・底の国」です。
この国がどこにあるのかいろいろな説がありますが、私は海底にあるような気がします。
何故なら、大昔、汚いものを川に流して清めていたようです。
今、神社でのお浄めと言ってお祓いをしてもらうことがありますが、このお祓い「祓え給い、清め給え」の神様は全部で4柱あって、この「気吹戸主」もその中の1柱です。
このお浄めの行事が祭などの神事で、神輿を川や海に入って清めるなどという行事につながっています。
まあ、川に流せば海に流れていきますね。
そして何事もなかったようにきれいになる???
原発の汚染水だって、大昔の考えならとっくに海に流していそうなものです。
でもこんなことは許されませんね。
気吹戸主がいくらきれいにしようと息を吹きかけても、こんなに汚染してしまってはどうしようもないでしょう。
原発事故はこの神様をも超えてしまっていると思うと、確かに恐ろしいですね。
さて、息栖神社の祭神はこの気吹戸主ではなく、現在「岐神(くなどのかみ)」(久那戸神ともかく)を祀っています。
「岐(くなど)」というのは道案内の猿田彦などと同じような神様です。
道の分かれ道に立つ道祖神でもあります。
大和朝廷が東国に進出してきたときに、鹿島の大神(鹿島神宮)と舵を取るとされる「香取神宮」との間をさらに進むために、中間の中州の中にこの息栖神社を置いたものと理解していますが、『日本三代実録』(平安時代に書かれた歴史書)では「於岐都説神」と書かれていて、「於岐都説=おきす(せ)=沖洲」がその語源だといわれます。
でも私がこの息栖神社の元宮である「蚕霊神社」を訪れて分かったことは、この元宮が常陸国の三大養蚕神社とも言われることです。
江戸時代の滝沢馬琴もいろいろ調べていたようですが、わからなかったのかもしれません。
この三社の残りは筑波にある「蚕影神社」と日立市にある「蚕養神社」ですが、この常陸の神社は息栖神社「於岐都説」から分霊されたものだといわれています。
何故この神社が蚕の神社になっていったのかはよくわかりません。
でも面白そうですよね。
金色姫伝説などともどこで結びつくのでしょうか?
兵庫県養父郡の上垣守国(うえがきもりくに)が享和2年(1802)に著した養蚕全般に亘る教書である「養蚕秘録3巻」をあらわしています。 これがヨーロッパなどでも翻訳されて絹の製法が世界に広まったようです。
この金色姫伝説はこちらの書物にも出てくるようですが、これは福島県なのか?茨城県なのか?・・・・
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