茨城の難読地名(その49)-鹿窪

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鹿窪 【かなくぼ】 結城市
鹿の字を「か」と読むことは「鹿島」などでよく使われますが、「かな」または「かね」などと読ませる地名がかなりあります。
「鹿」には「金=かね、かな」「鉄=かな、かね」などと同じような意味合いがあるのではないかと指摘されています。
古代の製鉄跡(タタラ製鉄)などと関係がありそうです。
タタラ製鉄は砂鉄を使って鉄をつくる製法です。
また「窪」や「久保」などという地名も単に窪地という意味合いもありますが、砂鉄の製鉄跡などにもよくつけられています。
この結城市の「鹿窪(かなくぼ)」について、角川日本地名大辞典には、「下総台地北西部、鬼怒川と田川の合流点右岸に位置する。縄文早期の向原遺跡、鹿窪古墳群がある。慶長8年(1603年)の覚書書に「結城かのくほ」と見える。」とあります。
また、平凡社の茨城県の地名の方が少し詳しくて、1596年の文書に「結城領鹿窪村内」との文字があるとも書かれており、かなり古くからの遺跡がある場所で、古くから人が生活していたと思われます。
石岡市に「鹿の子」(かのこ)という地名がありますが、ここから、常磐高速道路建設時に地下から奈良時代から平安時代初期の大規模な遺跡が発掘されました。
奥州の蝦夷征伐のための武器製造していた工場跡、製鉄所跡ともみられています。
鹿の子=金(鉄)の子 との解釈が強い地名です。
また、余談ですが、鹿は線路に侵入して鉄をなめるといいます。鉄分不足を補うのだそうです。
<鹿をカナと読む地名>
茨城県結城市鹿窪 (かなくぼ)
埼玉県さいたま市岩槻区鹿室 (かなむろ)
福井県福井市鹿俣町 (かなまたちょう)
熊本県人吉市鹿目町 (かなめまち)
<鹿の子地名>
宮城県気仙沼市本吉町鹿の子 (かのこ)
茨城県石岡市鹿の子 (かのこ)
兵庫県神戸市北区鹿の子台 (かのこだい)
<カナクボ地名>
茨城県結城市鹿窪 (かなくぼ)
埼玉県児玉郡上里町金久保 (かなくぼ)
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