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冨田のささら

 今年は石岡のおまつりの人出が最高だったとか・・・
でも最終日に少しぐるっと1周しただけで帰ってきた。

冨田町の会所に立ち寄ると新しい「ささら」が飾ってあった。

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3匹の獅子だが、頭の髪の毛は軍鶏の羽根で覆われ、老獅子・女獅子(娘獅子)・若獅子の三匹獅子の違いは頭の角の形が違います。 女(娘)獅子には角がありません。

このささらは祭りでは開始の先頭に立って現れるとすぐに消え去ってしまいます。
それも「七度半の迎えをうけて出る」というもので、祭スタートの行列の先頭を山車に乗って動きます。
しかしすぐにいなくなってしまいます。そのことを知っていないと見過ごしてしまうかもしれません。

また、山車や神輿のようび街中に繰り出して踊ることはまずありませんので見たことがない人も多いようです。

この姿は前に記事にしたときの物を参照ください。 ⇒ こちら

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この太鼓も手も作られたものですので人の手ではありません。
まるで、人がかぶって手を差し入れて太鼓をたたきそうですよね。

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実は操作する人が黒子(実は白い衣装)のように後ろに立ち、獅子人形の真ん中にある太い竹の心棒を操作して踊ります。

上下に動かしたり、棒をくるっと1回転したり、かなりトリッキーな動きをします。

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なかなか不思議な、不気味な顔立ちですよね。

これは会所に今年から飾られた新調されたささら獅子ですが、祭りに使われているのは今年もまだ昔の物のようです。

このささらについては別な時に撮ったもの ⇒ こちら も参考にしてください。

「ささら」の言葉は、竹を割いて何枚も縄でつないだ神楽などで使う楽器の音などが語源のようです。
またこれは食器や鍋を洗う時に使ったという話しもあり、五穀豊穣を願うシンボルのような意味合いがあったようです。

関東から東北方面に「ささら舞」が伝わっていますが、この棒を回して踊る形式の「棒ささら」は茨城県の南部だけかもしれません。
茨城県北部は鹿踊りなどと同じく、獅子人形を頭からかぶって人が踊ります。

秋田などに佐竹氏と共に伝わったと思われるささらも同じように人が中に入って踊ります。

石岡のまつりや、柿岡の祭りなどで登場するささらはこの棒ささらです。
三村地区などでもおなじようなささらがありましたが、この冨田町のささらの方が古いかもしれません。(もしかしたら室町時代末期まで遡るのか・・・・はっきりしません)

江戸時代の後半の6月頃に行われていた中町にあった天王社(のちの八坂神社となり総社宮に合祀)の祇園祭に富田町(旧馬之地町)の出し物として登場していました。この天王社のお祭りに各町内がいろいろな出し物を出していたのです。

総社宮の祭りとしては明治35年にこの祭りが復活し、いろいろな要素を加味して総社宮の祭りとして創設されました。その時にささらは祭りの山車の先頭を行くものとして登場しました。

石岡のおまつり | コメント(0) | トラックバック(0) | 2018/09/20 05:54
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