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日本語と縄文語(2) かめ(亀)

 さて、日本語と縄文語というタイトルで書き始めたのはいいのですが、最初から躓きました。
鈴木健さんのご本「日本語になった縄文語」は序説で
1)本書の構成
2)縄文語とその特徴
3)異言語の侵入と縄文語の変身
4)発音習慣の適応
5)語彙と文法
6)借用と偶然
7)ハ行音
などかなり具体的に今まで調べて得た知識を分類し、詳細に述べています。
そしてその後に日本語の転音の例を具体的に述べています。

転音というのは日本語にも同じ事をあらわす言葉があります。
自分を指す言葉に「わたし」と「あたし」がありますが、どちらが先にあった言葉かを見分けるのです。
この時は、どちらがより多くの地域で使われているかなどを考えて、 あたし(atasi) ⇒ わたし(watasi)、
あし(asi) ⇒ わし(wasi)などの ア行とワ行の転音がおこっていると見ていくようです。

もう私はここで先に進めないのです。
これが結構たくさん例を挙げて説明されています。
しかし並みの集中力ではついていけないのです。
でもここでギブアップしてはなりませんので、具体的な名前の例を見ていきます。

生き物の名前として まず「カメ」(亀)について述べています。

鈴木健さんがこの本の最初にこの「カメ」をとり上げたのにはきっとわけがありそうです。
自然界の生き物として、古来から北海道には「亀」が生息していないのです。
ですから北海道に暮らすアイヌの言葉には「亀」を指す固有名詞がないのです。
もしカメをあらわすことばから似たアイヌ語が見つかれば、縄文語が全国にあり、そこからアイヌ語が縄文人の子孫としてのこったということを言葉(日本語)から証明する事になるからです。

ではどんな風に書かれているのでしょうか。

かめ=ka (表面、・・・の上)+ma(泳ぐ)+i(もの)・・・kamai ⇒ kame(かめ)

アイヌ語で【ka】は「表面」「上面」「・・・の上」「・・・のほとり」などの意味があり、【kam】【kama】が水面を泳ぐという意味のアイヌ語で解釈できるという。
【i】は動詞や形容詞を名詞にする時に用いられる言葉で「物」と「時」「所」「事」などをいうという。
また【kamai が kame】となるのはアイヌ語の発音の「メ」が 「mai 」と類似しているからだという。

カメに同じような言葉として「かも」「かもめ」などががやはり「水の上」の言葉から来ている。
また「水すまし」などのことを 隠岐の島では「カメ」というのも同じとされる。

カメというといろいろ昔話があり、この話の分布などを調べていくと何か見つかるかもしれません。
もっとも有名な話は「浦島太郎」ですが、これも時代により話しの内容は変化しているようです。やはり北海道にはないのでしょうね。

鶴は千年、亀は万年とよく言われますが、亀の長生きの記録は250年くらいまでいろいろあるようですが、確認された記録では152年だそうです。その他100歳以上の記録はたくさんあるようです。
でもこの亀は遺伝子解読の結果、カメの祖先は約2億5000万年前の生物大量絶滅が発生した時期の前後にワニ、トリ、恐竜等のグループと分かれ独自の進化をしたと考えられています。まあ恐竜が絶滅した時に生き残って今の亀が誕生したなどと考えるとなにか亀を見る目も変ってきますね。

kame.jpg


(類題)

「カジカ」 (蛙の一種:河鹿、淡水魚のゴリ、ゴロの中間の魚:鰍(かじか))などがあり、これらはすべて目が頭の上についている。
アイヌ語では 【ka 上】【sik 目】【a 坐している】でカジカになるという。
しかしこのカジカも今のアイヌ語にはない。

従って、これも縄文語が本州で変化した言葉だろうという。



日本語と縄文語 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2020/05/03 10:33
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