日本語と縄文語(18) ホラ吹き、ボロもうけ
現在普通に使われている「ホラ吹き」や「ボロもうけ」などの言葉はどこから来たのでしょうか?
そんな事は知っていると言うかもしれませんね。
語源辞典などに載っている解釈を見てみましょう。
【ホラ吹き】
1) 法螺貝は、山伏が山中での連絡や獣除けに用いたり、軍陣が進退の合図に使用されたもので、見た目以上に大きな音が出る。 そこから、予想外に大儲けをすることを「ほら」と言うようになり、さらに大袈裟なことを言うことを「法螺を吹く」と言い、そのような人を「ほら吹き」と呼ぶようになった。(語源由来辞典)
2) 「ほら」は法螺貝が名の由来である。もともと法螺貝には、山谷の地中に棲み、精気を得て海に入り、その際に山が崩れ洪水が起こるという俗信があった。ここから近世初期には「ほら」が意外な大儲けをするという意味で用いられ、さらに法螺貝を吹くということも加わって大げさな嘘をつくという意味で「法螺を吹く」「ほら吹き」という言い方がされる (wikipedia)
【ボロもうけ】
1) 「ぼろ」は、形容詞の「ぼろい」から来ており、程度のはなはだしい様を表します。
また、「ぼろい」は韓国語の「ポル」「ポリダ」=「(お金を)儲ける、という言葉から来ていると言われています。
2) ボロには「ぼ・る」(ぼったくり)の意味もあります。
「ぼる」は「暴利」を動詞化させた比較的新しい言葉。
上の説明が現在の辞典などに載っている解釈です。
しかし、この言葉を縄文語ではないかと考えるとどのようになるのでしょうか?
ホラとボロの言葉からアイヌ語を探してみましょう。
このホラもボロもどちらも【poro 大きい】が語源とみることができそうです。
A、【縄文語(アイヌ語) poro 大きい、多い】 ⇒ 【hora ホラ】:高知高岡でホラは非常にたくさんのという方言
ほら貝・・・ 大きな貝 & 貝の形状が洞(ホラ)穴のよう ⇒ 法螺貝(吹螺、梭尾螺)
「ホラ」にはこのように大きいという意味があった。
B、【縄文語(アイヌ語) poro 大きい、多い】 ⇒ 【bora ボロ】 大もうけ ⇒ ボロもうけ となった。
朝鮮語の「ポル」「ポリダ」=「(お金を)儲ける」ことで、この言葉が上の古来の大きいという【poro】と合体した事も考えられる。
しかし、アイヌ語にはこの「ぼろ儲け」などを意味する言葉は見つからない。
単に「儲ける」などと探してみても、【pirka】などと出てくるが、これは
【e-pirka 良くなる・儲ける(もうける)・得をする】
【kewtum-pirka 心が美しい】
【ramu-pirka 満足する】
【sir-pirka よい天気】
【uko-oske-pirka 仲が良い】
などとして使う。
昔の縄文人やアイヌ人は喧嘩や争いごとなどなく、仲良く暮らしていたようです。
今の日本人の「自分だけ儲かればいい」などという意識はどこからやってきたのでしょうか?
さて、縄文語(アイヌ語)にはもう一つ地形語としてよく使われる似た言葉があります。
【poru 岩窟】 、 【pira ヒラ 崖】 、 【pake ハケ 崖】 です。
【poru ⇒ hora ホラ(洞)】 でこちらは洞穴(ほらあな)です。
でもこれは更に変化して【kura 蔵、倉】となったとも考えられます。
秋田の冬の風物詩でもある「カマクラ」の語源は
【kamu かぶさる、覆う + poru 洞】⇒ カマクラ (籠もることをカマルという方言もある)
と考えられます。
また、「ボンボリ(雪洞)」も
【pon 小さい + poru 洞】 ⇒ ボンボリ(雪洞)】
であろうといいます。
カマクラを土産物用に小さく作られた形は 雪洞という漢字が示すように「ボンボリ」と言ってもいいのではないだろうか。
また地形の「崖(がけ)」を表わす縄文語由来と考えられる言葉には2種類あり、
1、【pira ピラ ヒラ】はアイヌ語で草や木の生えていない崖や坂を表わします。
これから派生したものとして
ヒラ(傾斜地)・・・青森、岩手、山形、新潟、伊豆大島、三宅島、広島安芸、大分、鹿児島肝属、沖縄
比良山(ヒラヤマ・滋賀)・・・東側が急な断崖となっている
武見坂(ブミビラ)/旧:女陰見坂(ホーミビラ・沖縄)
(この坂は急坂で下から上をのぼっていく人の女陰(ホー:アイヌ語で尻とか女陰)が見えるなどという名前であったが、変更された。)
古事記に出てくる「黄泉比良坂(ヨモツヒラサカ)」の比良(日本書紀は平)も崖(急坂)の意味だろう

2、もう一つ各地にある古語として「ハケ」「ホケ」「バッケ」「ボッケ」などはいずれも崖地などに付けられており、古代縄文語ではないかと見られている。
「ハケの道」・・・国分寺崖線下の崖沿いの道
「ホケ」・・・長野下伊那
「ホキ」・・・筑紫、大分、嵯峨藤津、長崎高来、鹿児島
「バッケ」・・・茨城久慈、千葉印旛
「ボッケ」・・・徳島(大歩危・小歩危)
さて、この崖の基となるアイヌ語を探ると
【pake パケ 頭、岬の頭】⇒ハケ、バッケ、ボッケ がある。
日本の地名の場所を見るとどうやら川や海・湖などで浸食された崖地であるようだ。
こちらの用語は「出崎の突端(頭)」や「岡が切れるところ」を指す崖である事が推察される。
もう少し追加すると、
アイヌ語で 【kut】 は「帯(おび)」を意味するが、これは岩肌が帯状に現われている崖・断崖(絶壁)を指した言葉という。
また「のど」のことも表わし、【kut ⇒ kuta ⇒ 管 に変化】
さらに「キダ 段」キザ 段」「ヒダ(しわ)」「コシ 腰」などの派生語になった?
「九段下」のクダンも崖下の意味か?
今までの「日本語と縄文語」を1から読みたい人は ⇒ こちらから
そんな事は知っていると言うかもしれませんね。
語源辞典などに載っている解釈を見てみましょう。
【ホラ吹き】
1) 法螺貝は、山伏が山中での連絡や獣除けに用いたり、軍陣が進退の合図に使用されたもので、見た目以上に大きな音が出る。 そこから、予想外に大儲けをすることを「ほら」と言うようになり、さらに大袈裟なことを言うことを「法螺を吹く」と言い、そのような人を「ほら吹き」と呼ぶようになった。(語源由来辞典)
2) 「ほら」は法螺貝が名の由来である。もともと法螺貝には、山谷の地中に棲み、精気を得て海に入り、その際に山が崩れ洪水が起こるという俗信があった。ここから近世初期には「ほら」が意外な大儲けをするという意味で用いられ、さらに法螺貝を吹くということも加わって大げさな嘘をつくという意味で「法螺を吹く」「ほら吹き」という言い方がされる (wikipedia)
【ボロもうけ】
1) 「ぼろ」は、形容詞の「ぼろい」から来ており、程度のはなはだしい様を表します。
また、「ぼろい」は韓国語の「ポル」「ポリダ」=「(お金を)儲ける、という言葉から来ていると言われています。
2) ボロには「ぼ・る」(ぼったくり)の意味もあります。
「ぼる」は「暴利」を動詞化させた比較的新しい言葉。
上の説明が現在の辞典などに載っている解釈です。
しかし、この言葉を縄文語ではないかと考えるとどのようになるのでしょうか?
ホラとボロの言葉からアイヌ語を探してみましょう。
このホラもボロもどちらも【poro 大きい】が語源とみることができそうです。
A、【縄文語(アイヌ語) poro 大きい、多い】 ⇒ 【hora ホラ】:高知高岡でホラは非常にたくさんのという方言
ほら貝・・・ 大きな貝 & 貝の形状が洞(ホラ)穴のよう ⇒ 法螺貝(吹螺、梭尾螺)
「ホラ」にはこのように大きいという意味があった。
B、【縄文語(アイヌ語) poro 大きい、多い】 ⇒ 【bora ボロ】 大もうけ ⇒ ボロもうけ となった。
朝鮮語の「ポル」「ポリダ」=「(お金を)儲ける」ことで、この言葉が上の古来の大きいという【poro】と合体した事も考えられる。
しかし、アイヌ語にはこの「ぼろ儲け」などを意味する言葉は見つからない。
単に「儲ける」などと探してみても、【pirka】などと出てくるが、これは
【e-pirka 良くなる・儲ける(もうける)・得をする】
【kewtum-pirka 心が美しい】
【ramu-pirka 満足する】
【sir-pirka よい天気】
【uko-oske-pirka 仲が良い】
などとして使う。
昔の縄文人やアイヌ人は喧嘩や争いごとなどなく、仲良く暮らしていたようです。
今の日本人の「自分だけ儲かればいい」などという意識はどこからやってきたのでしょうか?
さて、縄文語(アイヌ語)にはもう一つ地形語としてよく使われる似た言葉があります。
【poru 岩窟】 、 【pira ヒラ 崖】 、 【pake ハケ 崖】 です。
【poru ⇒ hora ホラ(洞)】 でこちらは洞穴(ほらあな)です。
でもこれは更に変化して【kura 蔵、倉】となったとも考えられます。
秋田の冬の風物詩でもある「カマクラ」の語源は
【kamu かぶさる、覆う + poru 洞】⇒ カマクラ (籠もることをカマルという方言もある)
と考えられます。
また、「ボンボリ(雪洞)」も
【pon 小さい + poru 洞】 ⇒ ボンボリ(雪洞)】
であろうといいます。
カマクラを土産物用に小さく作られた形は 雪洞という漢字が示すように「ボンボリ」と言ってもいいのではないだろうか。
また地形の「崖(がけ)」を表わす縄文語由来と考えられる言葉には2種類あり、
1、【pira ピラ ヒラ】はアイヌ語で草や木の生えていない崖や坂を表わします。
これから派生したものとして
ヒラ(傾斜地)・・・青森、岩手、山形、新潟、伊豆大島、三宅島、広島安芸、大分、鹿児島肝属、沖縄
比良山(ヒラヤマ・滋賀)・・・東側が急な断崖となっている
武見坂(ブミビラ)/旧:女陰見坂(ホーミビラ・沖縄)
(この坂は急坂で下から上をのぼっていく人の女陰(ホー:アイヌ語で尻とか女陰)が見えるなどという名前であったが、変更された。)
古事記に出てくる「黄泉比良坂(ヨモツヒラサカ)」の比良(日本書紀は平)も崖(急坂)の意味だろう

2、もう一つ各地にある古語として「ハケ」「ホケ」「バッケ」「ボッケ」などはいずれも崖地などに付けられており、古代縄文語ではないかと見られている。
「ハケの道」・・・国分寺崖線下の崖沿いの道
「ホケ」・・・長野下伊那
「ホキ」・・・筑紫、大分、嵯峨藤津、長崎高来、鹿児島
「バッケ」・・・茨城久慈、千葉印旛
「ボッケ」・・・徳島(大歩危・小歩危)
さて、この崖の基となるアイヌ語を探ると
【pake パケ 頭、岬の頭】⇒ハケ、バッケ、ボッケ がある。
日本の地名の場所を見るとどうやら川や海・湖などで浸食された崖地であるようだ。
こちらの用語は「出崎の突端(頭)」や「岡が切れるところ」を指す崖である事が推察される。
もう少し追加すると、
アイヌ語で 【kut】 は「帯(おび)」を意味するが、これは岩肌が帯状に現われている崖・断崖(絶壁)を指した言葉という。
また「のど」のことも表わし、【kut ⇒ kuta ⇒ 管 に変化】
さらに「キダ 段」キザ 段」「ヒダ(しわ)」「コシ 腰」などの派生語になった?
「九段下」のクダンも崖下の意味か?
今までの「日本語と縄文語」を1から読みたい人は ⇒ こちらから
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