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水雲問答(12) 去私の方法

  これは江戸時代の(長崎)平戸藩の藩主であった松浦静山公が晩年の20年間に毎日書き残した随筆集「甲子夜話(かっしやわ)」に書かれている2人の手紙による問答集を理解しようとする試みです。

雲:白雲山人・板倉綽山(しゃくざん)1785~1820年 上州安中の藩主
水:墨水漁翁・林述斎(じゅっさい):1768~1841年 儒学者で林家(幕府の大学頭)中興の祖
松浦静山・松浦 清 :1760~1841年

水雲問答12

水雲問答(12) 去私(私を去る)の方法

雲:
 凡そ国家の敗は私より起り申候。一体の志(こころざし)社稷にあれば、私ありと云ふとも亡びず。漢武これなり。一体の志私にあり、飾るに社稷を以てすれば敗る。唐明皇これなり。私意を去り方いかが心得申すべきや、伺ひたく之れ有り候。

(訳)
 およそ国家が敗れるのは「私」(私心)から起ります。皆の心が社稷(国家)にあれば、「私」がありましても滅びることはありません。
これは漢の武帝(前漢の第7代皇帝)が良い例です。これに対し、皆の心が私にあり、社稷(国家)がお飾りになれば敗れます。
これは唐明皇(唐の玄宗は唐を繁栄させていたが、楊貴妃に夢中となってやがて国が滅びた)が良い例です。

水:
 私を去るの術、学に勤むる外(ほか)之れ無し。

(訳)
 私を去る方法は、学ぶことに勤(いそ)しむしか方法はありません。


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水雲問答 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2021/03/18 05:52
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