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水雲問答(14) 小人の使い方

  これは江戸時代の(長崎)平戸藩の藩主であった松浦静山公が晩年の20年間に毎日書き残した随筆集「甲子夜話(かっしやわ)」に書かれている2人の手紙による問答集を理解しようとする試みです。

雲:白雲山人・板倉綽山(しゃくざん)1785~1820年 上州安中の藩主
水:墨水漁翁・林述斎(じゅっさい):1768~1841年 儒学者で林家(幕府の大学頭)中興の祖
松浦静山・松浦 清 :1760~1841年

水雲問答14

水雲問答(14) 小人の使い方

雲:
 小人を御すること、余りその罪を責るときは害必(かならず)生ず。罪に復すれば、小過ありとも罪の発するを待(まち)て可也。『易』に革面、又は不悪而厳とあり。名言と存候。

(訳)
 小人(しょうじん:力量のない人、地位の低い人)を御するのに、あまり罪を責めると、かならず害が起こります。罪に服させるには、小さな過ちがあっても、その罪が外に明らかになるのを待つことが良いでしょう。『(経)易』に 革面(革の掛(け)に小人革面)とあり、また「不悪而厳(にくまずして厳)」とあります。これは名言と思います。

水:
 獣窮なほ戦ふ、況(いわん)や人をやと申たる通りの勢に候もの、仰せの如くご尤に存候。

(訳)
 追い込まれた獣は、なお戦う(窮鼠猫を噛む)のですから、人とて同じです。この言葉にいわれている通りの勢いです。おっしゃっていることごもっともです。

(コメント)
小人革面:順を以て君に従う・・・小人は途中からいけないと思うと利賢くその自分が掲げていた面(看板)を塗り替え、おとなしく従う。
不悪而厳:君子以て小人を遠ざけ、悪(にく)まずして厳・・・小人を悪(にく)むことはしてはならない。悪(にく)むことがない厳であれ。

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水雲問答 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2021/03/18 17:17
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