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水雲問答(25) 善悪を分ける

  これは江戸時代の(長崎)平戸藩の藩主であった松浦静山公が晩年の20年間に毎日書き残した随筆集「甲子夜話(かっしやわ)」に書かれている2人の手紙による問答集を理解しようとする試みです。

雲:白雲山人・板倉綽山(しゃくざん)1785~1820年 上州安中の藩主
水:墨水漁翁・林述斎(じゅっさい):1768~1841年 儒学者で林家(幕府の大学頭)中興の祖
松浦静山・松浦 清 :1760~1841年

水雲問答25

水雲問答(25) 善悪を分ける

雲:
 善悪を明白に分け申候わば、季世には怨を得申候て、且つ事を敗(やぶ)り候。明白に分けざるときは賞罰の道行われ申さず候。何れの処に止(とど)め申すべきや、伺い候。

(訳)
  善悪を明白に分けると、季世(末世)には悪から怨(うらみ)をかい、事を為せずに敗れてしまうことがあります。しかし、明白に分けませんと賞罰が行えません。どの程度にしておいたらよろしいのでしょうか。お伺いいたしたします。

水:
 善を善とし、悪を悪とし、黒白分け明かすは公道なり。然(しか)れども亦(また)此れに因りて以て事を敗り、怨(うらみ)みを取ること有るなり。渾然含糊(こつぜんがんこ)は一時を済(すく)ふに足るも、又遂(つい)に賞罰明らかならず、君子小人並び進むの弊(へい)あり。

(訳)
 善い事は善い、悪いことは悪いと、黒白をはっきりとさせるのが公道です。しかし、この黒白はっきりさせたために失敗して怨みをかうことがあります。渾然含糊(こつぜんがんこ:態度や言葉があいまいでハッキリしないこと)にして、善悪をはっきりさせませんと、一時はそれでよくても最後には賞罰がはっきり出来ずに、君子と小人の2つに割れて争いとなります。



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水雲問答 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2021/03/22 06:03
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