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水雲問答(27) 節義の風衰へ

  これは江戸時代の(長崎)平戸藩の藩主であった松浦静山公が晩年の20年間に毎日書き残した随筆集「甲子夜話(かっしやわ)」に書かれている2人の手紙による問答集を理解しようとする試みです。

雲:白雲山人・板倉綽山(しゃくざん)1785~1820年 上州安中の藩主
水:墨水漁翁・林述斎(じゅっさい):1768~1841年 儒学者で林家(幕府の大学頭)中興の祖
松浦静山・松浦 清 :1760~1841年

水雲問答27

水雲問答(27) 節義の風衰へ

雲:
 後世に至りて節義の風おとろへ、俗に申す鼻まがりても息さへ出ればと申す風情にて、概歎仕候。此の弊風いかがして矯正仕るべく候や、伺ひたく候。

(訳)
 後世になって節義の風習がおとろえ、俗に「鼻が曲がってもいきさえ出来ればよい」などというようなことわざがあったと思いますが、嘆かわしいことです。この節義の無い風習はどのように矯正したらよいでしょうか。お伺いいたしたます。

水:
 節義の風衰へて、而して淟涊(てんでん)の俗興る。上の人以て誘ふ所有るに由る也り。

(訳)
 節義の風が衰えますと、淟涊(てんでん:垢がついて汚れること)のようなよごれた風習が盛んになります。これは上に立つ人がそのような手本を見せているから下はそれに誘われて起るのです。

(コメント)
 似たような話に「隗(かい)より始めよ」という言葉があります。上に立つ者ばかりではなく、自身も文句ばかり言っていてもダメですね。まずは自分が手本となって改めないといけないのでしょう。
道にゴミが散らかっていれば、そこにまたゴミを捨てるなどというようになりますね。
このようなことは上下の問題だけではないように思います。
人口減少で町も空洞化が起こり、空き家が増え草が生える。
このようなことはお上も下々も両方の協働が必要なのでしょうが、行政側は権限を持っていますので法律も整備していく必要があると思います。
ここでは基本的には国、地域のために上に立つ者は、まずは私をなくしてしっかりとした自分の立ち位置を確認して事を為してほしいと思います。


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水雲問答 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2021/03/22 08:35
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