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水雲問答(29) 執政に権は必要

  これは江戸時代の(長崎)平戸藩の藩主であった松浦静山公が晩年の20年間に毎日書き残した随筆集「甲子夜話(かっしやわ)」に書かれている2人の手紙による問答集を理解しようとする試みです。

雲:白雲山人・板倉綽山(しゃくざん)1785~1820年 上州安中の藩主
水:墨水漁翁・林述斎(じゅっさい):1768~1841年 儒学者で林家(幕府の大学頭)中興の祖
松浦静山・松浦 清 :1760~1841年

水雲問答29

水雲問答(29) 執政に権は必要

雲:
 執政は、権なきはあしく候。固(も)と天下の鈞衡(きんこう)を掌(つかさど)り申任ゆえ、威権なくて叶はざることに候。
権と申て私を做(なし)申し候ことにては之れ無く候。

(訳)
 執政において権力が無いのは悪です。これは天下の均衡をつかさどるのに必要なことです。相手を従わせる権力(威権)がなければ執政は叶いません。権とは申うせ、これには私心を申すことではありません。

水:
 宰輔(さいほ)は権無かるべからず。権なくては国家を鎮圧するに足りず。若(も)し私心を以て権を立てば、即ち人、其の権を恐れず。矣(い:文章の終わりの語)

(訳)
 宰輔(さいほ:政治を行う者)には権力が無くてはなりません。権がなければ国家を安定して保つことはできません。もし、私心がその権にあれば、すなわち人はその権に対して恐れなくなります。


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水雲問答 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2021/03/23 07:04
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