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水雲問答(65) 大事は半分危うし程にて見切る

  これは江戸時代の(長崎)平戸藩の藩主であった松浦静山公が晩年の20年間に毎日書き残した随筆集「甲子夜話(かっしやわ)」に書かれている2人の手紙による問答集を理解しようとする試みです。

雲:白雲山人・板倉綽山(しゃくざん)1785~1820年 上州安中の藩主
水:墨水漁翁・林述斎(じゅっさい):1768~1841年 儒学者で林家(幕府の大学頭)中興の祖
松浦静山・松浦 清 :1760~1841年

水雲問答65

水雲問答(65) 大事は半分危うし程にて見切る


雲:
 凡そ事余に危くしては大事は成り申さず。半分危(あやふし)と申程にて見切候所、大事と存候。

(訳)
 大事を行うのにあまりにも危なければ、成功することは出来ないでしょう。半分程度危ないくらいでも、そで見切って実行に移すということが大事であると思います。

水:
 虎穴にいらずんば虎子を獲ず。是を以て英豪の直前手段。

 別紙稽留(けいりゅう)恐れ入り候。近来のご論、実に格別にて、老子大狼狽(らうばい)、ご答も申上げかね候斗(ばかり)に候。ご博粲(はくさん)下されたもうべく候。艸々(さうさう)以上。廿八、衡。

(訳)
 「虎穴にいらずんば虎児を得ず」のたとえの通りで、これが英豪が大事を行う直前の心境でしょう。


 別紙の返信が滞ってしまい恐れ入ります。最近の御理論は、実のご立派で、私のような老子は大変狼狽することしきりでございます。ご返答も申上げかねてばかりで申し訳ありません。ご博粲(謙譲して:お笑い)くだされたく。


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水雲問答 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2021/04/04 12:49
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