甲子夜話の面白き世界(第10話)狐にまつわる話(2)鳥を化かす狐

(今までの「甲子夜話の面白き世界」の第1話からは ⇒ こちら から読めます)
「狐」の2回目は「鳥を化かす狐」についてです。
《1》 狐に化かされる鳥
邸の隣の住人に聞いた話。
ある者が幼い時、上野山下の根岸に住んでいた。
その時山から老狐が出てきて、よく馴れた。
食をあたえると家に入り人の傍で食べた。
狐は人ばかりでなく、鳥類も化かすと知られていたが、ある日鳥が来て樹の小枝にとまった。
するとこの狐はその樹の下をぐるぐる回ると、鳥は飛びさる事が出来なかった。
狐が樹の下にいて頭を揺らすと、鳥も樹の上で頭を揺らしてた。
狐がやる事一切を、その通りにしたのだ。
とするならば、血気あふれて飛び走る類もきっと狐に惑わされたものと見た。
(巻之8 〔3〕 ← クリック 元記事)
《2》 狐ににらまれた鳬(かも)
この頃また聞くには、下谷妙音寺の池に鳬(かも)が多く集まると云う。
時々狐が出てきては、水岸に鳬がいるのを見ると、その鳬の中の一羽に狙いをつけて、真っ直ぐにその方へ行くと云う。
その鳬は動く事ができず、わざわざ狐に捕らえられると云う。
これまた惑わして、引き寄せるものなのだろう。
(巻之21 〔14〕 ← クリック 元記事)
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