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今日の一枚<権力、人権の「権」の本来の意味>

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 中国の北京オリンピックと人権問題をどう捉えるか、日本の舵取りが難しくなっています。
この人権とか権力などに使われる「権」の本来の意味をご存知でしょうか?

私はこのブログでも取り上げた松浦静山公の甲子夜話に書かれている「水雲問答」の中で始めて知りました。

「権」という語の本来の意味は 天秤のおもり(分銅)のことを指す言葉だそうです。

「人権」は人の重さです。
天秤で量って人の重さを区別をしてはいけない・・・  同じ重さでなければいけない。
人はどんな人種でも区別してはいけないという意味が込められているのです。

では「権力」とはどんなものなのでしょうか?
水雲問答では雲=板倉綽山(上州安中の藩主)の「経国の術と権略」の質問に、水=林述斎(大学頭)は次のように述べています。

水:
 権は人事の欠くべからざることにして、経と対言仕(つかまつり)候。
秤の分銅をあちらこちらと、丁ど軽重に叶ひ候処にすゑ候より字義をとり候ことにて、固(もと)より正しきことに候。
仰せ聞けられ候所は、謀士の権変にして、道の権には非ず候。程子の権を説き候こと、『近思録』にも抄出これ有り、とくと御玩味候様存(ぞんじ)候。

(訳)
権(力)は人事において欠くことのできないもので、経(営)とは対の言葉です。
漢字の権という字は天秤(はかり)の分銅のことで、これをあちらこちらと動かして丁度良い所にあわせるということ(字義)から生れた言葉ですから、もとより正しいことです。
しかし、貴方のおっしゃっている権略は、謀士(策士)の権変であって、道の権ではありません。
程子(ていし:中国の儒学者、程伊川)が権を説いた書(程伊川が朱長文に答えた書)があり、『近思録』にも抄出(抜き書き)がされておりますので、とくと御玩味(熟読)されたらよろしいかと思われます。

政治家は権力をもっていますので、この分銅の動かし具合を正しく動かさなければいけません。
最近の政治家の不正事件はまったくもって私利私欲でこの分銅を動かしてしまっている事もあるように思います。

有権者が悪いといってしまえばそれまでですが、いまだにお金をばら撒いて票を集める事がまかり通ってしまっている事はまさに悲しいことですね。
広島をはじめ、自分の地元だってどこか狂ってしまっているようです。
私の故郷でもある新潟県長岡市の自民党支部問題は悲しいですね。
苦渋の決断で真珠湾攻撃をせざるを得なかった山本五十六の気持や、戊辰戦争で和平を望みながら傷つき倒れた河井継之助の気持ちも理解したいものです。

◎ やってみせ,言って聞かせて,させてみて,誉めてやらねば,人は動かじ (山本五十六)

◎ 八十里 こし抜け武士の 越す峠 (河井継之助)


今日の一枚 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2021/12/10 10:37
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