fc2ブログ

八木干拓

 高浜の産業として醤油醸造で財をなした「羽成卯兵衛」さんの記録をみていた。
すると、対岸の関川地区に作られた「八木干拓」の事業に巨額の私財を投入されたことが載っていた。
高浜の繁栄、船の流通が鉄道に変わって、また海外の大豆などの流通に翻弄されたとしても、そこに昔一時代を築いた人達がおり、生活があって物流があった。その時代の流れが見えてくる思いであった。

では、「私財を投入してしまったという八木干拓を見なくては私のブログは先に進めない」ということで見に行った。
場所は高浜からは愛郷橋(現在新橋に工事中)から関川、井関の方に霞ケ浦に沿って進むと関川小学校に方に登らずに左の湖に沿って道は続いている。こちらに一面に広がる水田地帯が八木干拓地である。
地図で見ると丁度飛行場の滑走路のように真っ直ぐに道が続いている。



yagi02.jpg

八木地区のはずれから高浜方面に真っ直ぐに堤防が続いている。
右側が霞ケ浦、左手は干拓地。真っ正面に筑波山が見える。あまり天気が良くなかったので少し霞んでいる。

yagi01.jpg

霞ケ浦の右岸・左岸・中岸、北浦の右岸・左岸などと呼ぶのですね。あまりなじみのある言い方ではないので写真を撮ってみました。昔の霞ケ浦町(出島町)と呼ばれていたところはこの中岸に入るようです。

yagi05.jpg

この辺りは細い川のようになっていて、向こう側が左岸です。そしてこの湖の先端に高浜があります。

yagi03.jpg

 この堤防の途中に、このような看板がかかっていました。
タイトルは「湖岸植生保全の取り組み(石川地区)」となっています。
目的は「オニバス等浮草植物を復元し、オニバス・ヨシ原などから広がりのある景観を取り戻す」とあります。

yagi04.jpg

現在大分復元されたのでしょうか? ヨシ原などが増えているようでもあります。
このあたり、太公望には隠れたメッカのようです。私は釣りをしませんのでわかりません。
この狭い堤防の道路に数台の車が止まって、下では釣り糸を垂れていました。

さて、何故この八木干拓を取り上げる必要があったのか?
歴史的な背景や、この地の洪水などの歴史も見て行かなければなりません。

高浜河岸の繁栄ぶりや、この八木干拓についても石岡市史下巻にかなり詳しく書かれています。
しかし、その全部を読むのは大変なのでつまみ食いをしながら少しずつ理解していきたい。

まずは手始めにこの八木干拓事業のさわりを少し。
大正八年に、「開墾助成法」が制定され、開墾にかなりの助成金が出されることになった。これは当時食糧不足で米価の高騰がおきており、米作りが盛んに奨励されたことが背景にあった。
そこに手を挙げたのがこの高浜で醤油醸造で財をなしていた羽成卯兵衛氏と真壁町の猪瀬蔵太郎氏であった。
大正9年に埋立免許を取得し、10年に着工したが、「堤防を築くのに打ち込んだ長さ10mの松の杭数千本もほとんど倒され、山のように投入した土塊は一夜で沖に流されてしまいました。
当初の予算約24万円に対し、かかった費用は44万円強。しかしこれ以外の公簿外費用が39万円以上もかかったのです。助成金が26万円強ありましたが、私財として59万円程かかってしまいました」と息子の同名の羽成卯兵衛さんが後に書かれています。当時の価格を今の価値に換算すると約600倍くらいということなので、今の価格で3億6千万円位でしょうか。

この場所は三又沖からは大分奥に入っていますが、国分寺の鐘伝説にでてくる三又沖とからんで、工事の途中では「羽成の財産は何倍あっても三又沖に呑まれてしまう」などといわれたとも書かれていますが、わかるような気がします。

この干拓の完成は堤防が大正15年。耕作地は昭和3年に完成しました。
しかし、その後昭和10年、13年、16年、24年に堤防が決壊する被害が出ています。
今の東北の津波ではありませんが、風水害での被害は何回もこの地を襲っています。
今は水門ができ、忘れたようになっていますが、農家にとっては塩害を防ぎ、水害を無くす門が、生態系を変えてそこに住んでいた生き物たちを追いやってしまったということもまた事実です。
長崎の諫早湾の干拓でたくさんの意見が出ていますが、中途半端にやったり、途中での変更などは大きな問題を残すということも忘れてはいけないでしょう。

私達は色々な事実を知らないと判断はできません。また、環境保全の取り組みもたくさんあります。
一方的に意見を聞いてもわからない事が多いです。霞ケ浦も一時期に比べればきれいになってきました。
昔、娘の夏休みの自由研究で各地の水の濁り具合を調べてまわりました。
もう15年以上前ですが、当時土浦港は緑のアオコが大量発生して水も汚くて大変でした。
皆さんの努力で少しずつ改善され、また泳げるくらいの湖に戻ってほしいですね。
 
もう少し勉強してみたいと思います。
 

高浜・三村地区 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2011/06/29 19:42
コメント

管理者のみに表示