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稲田神社(笠間市)

-常陸の出雲神話(1)-
 先日テレビで松本清張の「砂の器」が放映されていた。その中に、食堂で東北弁をしゃべっているのを聞いたとの証言から、東北地方を探したが手がかりが得られず、出雲の地方で東北弁をしゃべる地域があると知り、事件解決に進む。
出雲地方と東北地方に何かかかわりがありそうなのだが、ここ常陸地方がもっともかかわりがあるように感じている。
少しずつ紐解いてみたいと思います。もちろん専門家ではないのでトンチンカンなことを書くかもしれないがご容赦願いたい。

 まずは、笠間市稲田にある「稲田神社」だ。私は親鸞が稲田に草庵を構えた理由の一つにこの神社の存在が影響していたのではないかさえ感じている。

平安時代に編纂された延喜式にのっている神名帳。その中に常陸国には28座の神社が載せられている。
その中で、神社の規模を表す「大」に分類される数は7社ある。
「鹿島神宮」「大洗礒前薬師菩薩(明)神社(大洗磯前神社)」「静神社」「筑波山神社」「吉田神社」「酒烈礒前薬師菩薩神社(酒烈礒前神社)」とこの「稲田神社」だ。

他の神社は全て現在も堂々とその威風を表している神社ばかりである。
ところがこの「稲田神社」は忘れられたように稲田の地に鎮座している。

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これが旧道脇に建てられている鳥居。「県社」と書かれている。
普通が「村社」「郷社」などとなっているものが多いから、県社は位が高いのだろう。

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鳥居をくぐると長い静かな参道が続く。桜の時期は美しいだろう。

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神社の拝殿にはこの階段を上るのだが、登り口に神社の由緒などが書かれている。

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そう、ここは出雲の神話「八岐大蛇伝説」がそっくりこの地に伝わっており、その「奇稲田姫(くしいなだひめ)」だけを祀った珍しい神社なのだ。

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八岐大蛇の神話は知っている方が多いと思うが、概略は
「スサノオノがある村にやってくると、年とった夫婦と一人の娘が泣いていた。わけを訪ねると、この山に住む八つの頭を持つおろち(大蛇)に毎年生贄をださないと、ひどい目に合う。
上の娘7人はすでに生贄となって、今年は末の娘(奇稲田姫)の番で、それが悲しくて泣いているという。
そこでスサノオは強い酒の樽を8個配置して、奇稲田姫を櫛に姿を変えて自分の髪に挿し、酒に酔って寝てしまった大蛇を剣で切り刻んでしまいます。
尻尾の所から出てきたのが後の「草薙の剣」で、無事大蛇を成敗して、スサノオと奇稲田姫は結婚する」
という話しです。

この八岐大蛇の住んでいた山が北方にある「八瓶山」で、8つの酒樽のうち大蛇が投げ飛ばしたとされる3つの樽を祀った神社が、笠間北方の飯田ダムに向かう途中にある「三瓶神社」です。

実際に八瓶山の麓にはこの話と同じ話が伝わっています。
この八瓶山山の麓にできた寺は笠間城で述べた、300坊といわれる僧侶がいた「徳蔵寺」です。
後に今の徳蔵(とくら)の地に後から移ったというわけです。

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稲田神社の拝殿と本殿。

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こちらが本殿です。
この神社は、最初に書きましたが、式内社の大社です。
水戸光圀がこの地を訪れて、その衰退ぶりをなげき、四神旗を奉納し、復興につとめたと言われています。
さすが水戸黄門様はこのような神社仏閣にも大変精通されていたようです。

この神社は女神さまということで、女性の参拝者が多いと聞きます。

また、稲田姫の父母「手名椎(てなつち)足名椎」の住居だったところが「関戸神社」であるともいわれ、
一つ一つ見て行っても面白い。

この稲田神社には実はもう一つ「稲田姫神社」と呼ばれる奥の院があるが、ここを訪れる人は少ないようだ。
先日こちらにも行ってきたので次回紹介したい。


 
 

常陸の出雲神話 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2011/09/22 19:05
コメント
No title
こんばんは。ご存知だったらすいません。
県庁隣の川又書店で、筑波書林刊、河野辰男著、常陸国風土記の探求という本を買いました。上中下刊の三冊です。常陸国と出雲国との関係など書いてあります。どこまで信じられるかわかりませんけど一度ご覧になったほうがよいと思い、連絡します。
Re: No title
troyさん
こんばんは。
そうですか。そのような本も読んでおられるのですか。
河野辰男さんは筑波書林と崙(ろん)書房から常陸風土記の本をたくさん出していますね。
私は読んでいません。
機会があったら買って読んでみますが、しばらくは読みたくないのです。
どうしてもこの世界は先入観が入りますので、もう少し色々なことがわかってから
読んでみようかと思っています。そうしたら目からうろこが落ちるかもしれませんね。
でも実は、上中下の三巻もあるとなると、私にはついて行けそうにないですね。(笑)
紹介ありがとうございました。
おかしなことを書いたら教えてくださいね。


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