fc2ブログ

奈良の鹿

 奈良公園にいる鹿は修学旅行生にも人気でみなさんご存じだと思います。
この奈良公園の鹿は春日大社の守り神で神聖な動物だとされています。

この春日大社は大化の改新で活躍した中臣鎌足が藤原姓を賜り、藤原鎌足となって藤原氏の繁栄を象徴するために、この藤原氏の氏神として鎌足の息子の藤原不比等により768年に建てられたものです。

そして、ここに祀られている神は藤原氏の守護神であるタケミカズチ(武甕槌命)で、これは常陸国一宮の鹿島神宮の祭神です。
中臣家は鹿島神宮の神官の家柄で、この中臣鎌足(鎌子)は常陸生まれであるとの説はかなりの信憑性があると思っています。奈良には生誕の地なる碑もできているようですが、やはり常陸生まれですよね。
鎌足(幼少時:鎌子)などと言う名前は製鉄のイメージにつながりますから。

現在世界遺産に登録されている春日大社の裏山にあたる春日山、御蓋山(三笠山)一帯は、いまでも原生林が残る貴重な区域になっていますが、これはこの場所が神聖な区域として人の立ち入りを禁止しているからなのです。

春日大社の主神、タケミカズチは768年に、この御蓋山の上に白鹿に乗って舞い降りてきたとされています。
鹿島神宮の神がこの地にやってきたのです。鎌足が鹿島出身の人でないとつじつまが合いません。

そして鹿は、貴重な神の使いの動物として狩猟が禁止されました。

鹿島神宮の鹿島は昔は香島と書いていました。しかし、鹿島に変わったのが何時なのかがはっきりしません。

さて、話変わって、百人一首の第5首目の次の有名な歌はほとんどの方はご存じだと思います。

○ 奥山に 紅葉ふみわけ なく鹿の こゑきく時ぞ 秋はかなしき   猿丸太夫

この歌は、良く国語の問題にもなっていますね。

・もみじを踏み分けているのは歌の作者ですか?それとも鹿ですか? という問題ですね。

答えは鹿だそうです。すなわち作者は鹿の姿を想像して詠んでいるというのです。

雄鹿は9月から3カ月くらいは発情期で気が荒くなり、雄鹿が雌鹿を探して鳴いていると解釈され、遠距離恋愛などの歌の例としても良くとりあげられています。

momiji3.jpg
(2010.11.21 月山寺にて)

しかし、最近になって、私は全く違った意味の歌なのではないかと気になりだしました。

この歌があるので、私は奈良の山には昔から野生の鹿がたくさんいたのだろうとばかり思っていたのです。

この鹿の鳴いていた場所がこの春日山の一帯の立ち入り禁止の山なのです。

当時藤原氏でなければどんなに優れていても出世できないとされてしまった時代だと思います。

この猿丸太夫と言う人は本当にいた人物かどうかもわかっていません。

詠み人知らずになっていた歌を小倉百人一首に載せたのです。

私にはこの歌が、藤原氏ばかりの世になってしまい、それを嘆いているように思えてなりません。

もともと奈良には山の鹿がいたのでしょうか?

春日大社創設時に、常陸の国から1年かけて陸路を、鹿を連れて奈良まで行ったという言い伝えが残っており、道中に鹿のつく地名が何箇所かあるのだといわれています。

その後、奈良の鹿が少なくなってしまい、948年には、この石岡(常陸国府)から鹿7頭を奈良に送っています。

しかし、今度は鹿島の鹿が絶滅したため、奈良から鹿を連れてきたため、今の鹿島の鹿は逆輸入鹿だといわれているのです。

今日は百人一種の秋の歌として名高い上記の歌の解釈も違った見方も出来るのではないかということを書いてみたまでですが、それにしても歌はうまいですよね。

鹿が紅葉を踏み分ける音が映像とともに聞こえてきますね。紅葉に鹿の姿は絵になるのですね。

名句だと思います。

もう一つ私の大好きな句があります。

○ 駒とめて袖うちはらふかげもなし佐野のわたりの雪の夕ぐれ  藤原定家 (新古今和歌集)

歌を詠むだけでその映像が浮かんでくる。そして聞く人の心を打つ。
浮かぶのは真っ白な夕やみ迫る白銀の世界。全ての音を消してしまう雪の降る音だけが残ります。

それから、この佐野は和歌山県新宮市の辺りだそうです。
私は長いこと、厄除大師で有名な栃木県の佐野かと思っていました。



もうずっとも昔の学生の頃ですが、この春日山の裏手をまわり地獄谷石窟仏を通って柳生街道を柳生の里を通って笠置駅まで歩きましたが、まだ若かったのですね。今ではそんな元気はありませんね。

地獄谷のあたりは少し怖いくらいで、山道を入れて25kmくらいは歩いたのでしょうか。

今でも想い出に残っています。

にほんブログ村 地域生活(街) 関東ブログ 茨城県情報へ  ← よろしければクリックお願いします。

茨城の県名 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2011/11/05 16:11
コメント
お早うございます。
天のはら ふりさけみれば 春日なる 三笠の山に いでし月かも 奈良公園は だいたいの人が行っても 三笠山の裏手までは 行かないですよね!!とても素敵な思い出ですね! 私は 2月堂から見た 東大寺や奈良の街並みが好きです。
Re: お早うございます。
みーさん

> 天のはら ふりさけみれば 春日なる 三笠の山に いでし月かも
・・・唐にいて故郷日本を想う? 昔の日本人も優秀な人がいたんですね。
歌に気持ちがこもっていますね。
みーさんも奈良はあちこちいかれましたか。京都とは別な魅力がありますね。
私はあまり人の行かないところが好きで、柳生の里まで歩きました。

浄瑠璃寺、談山神社、聖林寺、室生寺など少し離れたところにも、いいところがたくさんあります。
また行きたくなってしまいます。
2月堂のまわりも本当にいいですよね。ありがとうございました。

管理者のみに表示